地元の方にとっては当たり前でも、旅行者から見ると珍しいものってよくありますよね。これもその一つ。沖縄でよく見られるおまじない石敢當(いしがんとう)の謎に迫ります。
中国から伝わった魔よけ
沖縄の街角を散歩していると、表札のようなものが妙に下の方についています。石敢當(いしがんとう)、石厳當、石散當、石敢東などいろいろな漢字で書かれていて、そのほとんどは三叉路やT字路の突き当りに取り付けられています。せっかんとも言いますが、元々は中国から伝わった魔よけの風習です。沖縄だけでなく鹿児島でもよく見られます。
沖縄の妖怪・マジムン
沖縄では妖怪や魔物、悪霊などを総じてマジムンと呼んでいます。どんな姿をしているかというと、赤ん坊、子供など人間型のものから、ウシ、ブタ、アヒルなど動物型など。なんとしゃもじの形をしたマジムンもいるんですよ。
まっすぐしか進めないマジムン
マジムンはまっすぐしか進めず、曲がるのは苦手。T字路などの突き当りで曲がれずに直進してしまいます。もしT字路の先に家があったら、曲がらずにそのまま入ってきてしまうのです。それを防ぐのが石敢當。マジムンは石敢當にぶつかると砕けて死んでしまうと言い伝えられています。魔が家の中に入らないようにするためのおまじないなんですね。
風水における路沖(ろちゅう)
風水でもT字路や三叉路の突き当りの家は路沖(ろちゅう)と言ってあまり縁起が良くありません。でも家が密集した住宅地では道路の先に家を建てる人ももいるわけで。そんな時に石敢當があれば凶運を避ける事ができます。
下を向いてあるこう!
下を向いて歩くと気分が沈むとか、姿勢が悪くなるなんて言われますが、沖縄の町を散歩する時にはぜひ下の方を見ながら石敢當を探してみてくださいね。いろんなデザインがあるので石敢當ウォッチングも楽しめます。(2012年09月12日訪問)【麻理】
追記:悪の軍団マジムン
(画像は悪の軍団 マジムン.com公式サイトより)ちなみに沖縄ローカルヒーローの「琉神マブヤー」において、マジムンは悪の軍団として活躍していますよ。沖縄の子供たちにとってはマジムンはとても身近なものなんですね。【麻理】
参考文献
地図&情報
石敢當(いしがんとう)
住所 :沖縄のあらゆる街角