「グラスの底に顔があってもいいじゃないか」と言ったのは岡本太郎。ではお寺の本堂に顔があるのは? 愛媛県新居浜市にあるお寺萩生寺のお堂にはなんと顔があるのです。
道路に立つと強い視線を感じる
見られてる、見られてる。確かに道路に立っているだけで強い視線を感じます。愛嬌があって可愛いですね。お寺の建物というよりはオブジェのようです。この本堂の形は別多宝塔形式というのだそうです。
ネパールの仏眼
遠くでは分からなかったけどカラフルな色彩なんですね。仏眼とは「五眼の一。仏の眼。悟りを開いた者に備わる、すべての実相を見通す眼(三省堂 大辞林)」です。すべての実相というのは「この世界の真実」のこと。ネパールでは仏眼をあちこちで目にしますね。
肉眼を佛眼にまで高めていって欲しい
萩生寺の公式サイトには
全ての人が、自らの眼を肉眼としてだけではなく、佛眼にまで高めていって欲しいという願いから、本堂の佛眼は描かれています
とあります。深い意味を知ると味わい深く感じます。
シャム双生児のような珍しい大師象
こちらは弘法大師の姿をあらわした、両面大師と呼ばれる仏像。シャム双生児のように背中でぴたりとくっついた形になっていて、日本ではここだけにあるとても珍しい像です。片側はお御影、もう片側は秘鍵大師と言います。
ありがたさも2倍?
右側の写真のお御影はよく真言宗のお寺で見る姿ですね。右手に五鈷を、左手に念珠を握って加持祈祷(かじきとう:まじないをし祈ること)をしておられます。左側の秘鍵大師は文殊菩薩の象徴である剣を持って私たち衆生をお救いになろうとしている姿。ありがたさも2倍です。
地下霊場も次回はぜひ
萩生寺のもう一つの目玉(目玉のお寺だけに)は地下霊場です。ご住職自らががアジア各地をまわって集めた仏陀ゆかりの地の砂や、西国三十三観音霊場、四国八十八ヶ所霊場を参拝して収集して作られたもの。
約100メートルにわたり幻想的な回廊が造られているとのことなんですが、私が行ったときはお留守のようで見られませんでした。あちゃー。次回こそは!(2009年05月04日訪問)【麻理】
参考文献
地図&情報
萩生寺(はぎゅうじ)
住所 :愛媛県新居浜市萩生2635
電話 :0897-41-1578
駐車場:無料
関連URL:蓮花の浄土 萩生寺へようこそ