香川県四国八十八ヶ所・第84番札所である屋島寺の蓑山大明神では狸の総大将を祀っています。屋島の太三郎狸の化ける能力は日本一と言われます。境内にはタヌキの置物がいっぱい!
日本三大狸の一匹・太三郎狸
屋島寺(やしまじ)は屋島ミステリー坂を上った先の山頂にあるお寺です。タヌキと言えば、キツネと同じく人間を化かすって言われますよね。屋島のタヌキは太三郎狸(たさぶろうたぬき)、禿狸(はげたぬき)などと呼ばれ、佐渡の団三郎狸、淡路の芝右衛門狸と並んで、日本三大狸に数えられているんですよ。
日本一の化け技
とりわけ太三郎狸の化ける能力は日本一です。300匹のタヌキを従えて、淡路の芝右衛門狸に化け比べ合戦を挑んだこともあるんだそうですよ。江戸時代に起きたタヌキの大戦争・阿波狸合戦(あわたぬきがっせん)では金長狸と六右衛門狸の間に入って仲裁をしたり、日清日露戦争では満州でも闘ったというスーパータヌキです。
『平成狸合戦ぽんぽこ』の狸は子孫?
そういえば、スタジオジブリのアニメ映画『平成狸合戦ぽんぽこ』では人間に対抗するために、多摩のタヌキが四国や佐渡から長老の応援を頼んだりしましたよね。きっと太三郎狸の子孫かも?
弘法大師も騙した化け術
でも人間を化かすだけではありません。その昔、四国八十八ヶ所を開くために行脚を続けていた弘法大師を、老人の姿で道案内したなんて伝説もあるんです。超人・空海でさえ騙されてしまった変化の術、あっぱれ!
家庭円満、縁結びの御利益
太三郎狸はタヌキの王様ですがハーレム状態にはならず、一夫一婦の固いちぎりを結んだ仲むつまじい夫婦だったそうです。そのため蓑山大明神では家庭円満、縁結び、子宝などの御利益をもたらすタヌキとして全国から信仰を集めています。
みんな総大将を見習うんだぞー
蓑山塚には様々なスタイルのタヌキがいっぱい奉納されています。みんな徳利片手に持ってますが、お酒ばかりのんでちゃだめだぞー。太三郎狸を見習って立派に変化術の修行をするように!
奥にある「瑠璃宝の池」
境内の奥にある瑠璃宝の池(るりほうのいけ)も見てみましょう。屋島寺、草創の際に弘法大師が「遍照金剛、三密行所、当都率天、内院管門」と書いて、宝珠とともにおさめて伽藍の周囲を池にしたためこの名前がついています。その宝珠を竜神が奪いに来るという伝説もあったそうですよ。
気味の悪い血の池
また別名・血の池とも呼ばれています。源平合戦の時、檀ノ浦で闘った武士たちが刀の血を洗ったため、池の水が真っ赤に染まったからなんですって。うう、気味悪い。
池の中島に祠がぽつん……と
池の中島には小さな祠(ほこら)が。これって弘法大師が宝珠をおさめたっていうものかしら? 辺りに特に説明書きなどなかったのでよく分かりませんが、木々が鬱蒼としていることもあって、なんだかこの池の周りだけ空気が冷たいような気もしました……。(2009年05月06日訪問)【麻理】
参考文献
地図&情報
屋島寺(やしまじ)蓑山大明神(みのやまだいみょうじん)
住所 :香川県高松市屋島東町1808
電話 :087-841-9418
時間 :宝物館は09:00~17:00
休業日:年中無休(宝物館は不定休)
拝観料:無料(宝物館は入館500円)
駐車場:有料
関連URL:四国八十八ヶ所霊場公式ホームページ:第84番札所 南面山 千光院 屋島寺