髪が肉ごとはぎ取られた! ホラーな肉付鐘の緒「立江寺」【徳島】

立江寺
徳島県にある四国八十八ヶ所・第十九番札所、立江寺には恐ろしいお話が伝わっています。今日は思わず頭を押さえて震えてしまいそうな、立江寺の肉付き鐘の緒と黒髪堂の言い伝えです。

高野山真言宗の古刹・立江寺

立江寺
立江寺(たつえじ)は高野山真言宗のお寺。公式サイトによると、聖武天皇の勅願寺であり、747年に行基菩薩が光明皇后の安産を願って、1寸8分(5.5センチ)のご本尊・延命地蔵尊を作って伽藍を建立したと言われます。

その後弘法大師がこの寺を訪れた時に、小さなご本尊では紛失してしまうかもしれないと、自ら6尺(1.8メートル)もの大像を刻んで、ご本尊を中に収めたのだそうです。

立江の地蔵さん・子安の地蔵尊

立江寺
立江寺という名前になったのは弘法大師の滞在の時からですが、当時のお寺は現在の地より西に400メートル離れた場所にありました。地元の方には立江の地蔵さん子安の地蔵尊と呼ばれて親しまれているみたい。お遍路さんもたくさんいらっしゃいました。

立江寺に伝わるホラーな話

立江寺
さて私の興味は由緒正しいお寺の縁起ではなく、怪奇譚の方。立江寺の黒髪堂に収められた肉付鐘の緒が見たかったんです。ちょっとホラーなお話をご紹介しましょう。

昔、石州浜田(現在の島根県浜田市)にお京という娘がいました。16歳の時大阪新町へ芸妓に売られ、22歳の時大阪で知り合った要助と夫婦なりました。

愛人と共謀して夫を殺害

立江寺
しかし時がたつにつれてお京はわがまま放題になり、鍛冶屋長蔵という愛人を作りました。このことはすぐに夫の要助にバレて二人ともボコボコにされてしまいます。逆切れしたお京は愛人の長蔵とともに夫・要助を殺害。讃岐(香川県)の国へ逃走します。

お京の頭の皮とともに黒髪がバリバリと剥がれ……

立江寺
二人で心中しようとすれども思いきれず、四国巡拝の旅のはてに立江寺にたどり着きます。そこで地蔵尊を拝もうとしたら、なんとお京の黒髪が逆立ってお寺の鐘の緒に巻き付いてしまったのです。絶叫するお京! 立江寺のご住職に事の次第を話して懺悔すると、お京の頭の皮とともに黒髪がバリバリと剥がれ、なんとか命だけは助かったとか……。

思ったよりも髪の量が多い

立江寺
これが肉付鐘の緒が納められた黒髪堂。お堂の中には鐘の緒と、そこに巻き付いている黒髪がありました。予想以上に髪の量があって驚きました。こんなにごっそり頭の皮ごと髪が剥ぎ取られたなら相当な痛み……てか、これ重症のレベルじゃないの!? お京さんはその後どうやって暮らしたんだろう。

グロが苦手な方はご注意を

立江寺
この黒髪はぜひ実物を見てほしい。生々しくて強烈な迫力。写真を撮るのがはばかられるような感じがしたので接写はできず。肉付鐘の緒の黒髪はかなりのインパクトなので、今後も長く語り継がれるのでしょうね。ややグロですので苦手な方はご注意を。

罪人や邪心を持った人は入れません

立江寺
立江寺は四国八十八ヶ所にある4の関所の一つ(他の関所は二十七番神峯寺、六十番横峰寺、六十六番雲辺寺)。罪人や邪心を持った人は弘法大師の咎めをうけて、立江寺の中に入ることができないのだそうです。立江寺は信仰の強さを審査される最初の関所です。でも私のような興味本位の人間でも入れてくれたのでホッとしました。弘法大師は心が広い!(2009年05月03日訪問)【麻理】

参考文献

地図&情報

立江寺(たつえじ)

住所 :徳島県小松島市立江町字若松13
電話 :0885-37-1019
拝観料:無料
駐車場:300円(20台)
関連URL:四国霊場第十九番札所立江寺|安産祈願、水子供養、永代供養

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