徳島県の霊山寺と言えば、四国八十八ヶ所霊場の第一番札所。四国で一番有名なお寺と言っても過言ではありません。しかし意外や意外、かなりの珍スポットだったのであります。
四国遍路の父・真念が定めた四国八十八ヶ所
言い伝えでは空海が四国八十八ヶ所を定めたといわれますが、これは事実ではありません。江戸時代に真念というお坊さんが『四国邊路道指南(しこくへんろみちしるべ)』というガイドブックを書いて八十八ヶ所と札所を定めたのが本当のようです。
真念は大阪の人で、当時は大阪から淡路島へそして鳴門へ渡って四国遍路をしたため、鳴門の霊山寺(りょうぜんじ)が1番目になったんですね。
マネキン1(山門前)
さてここは霊山寺の山門。阿吽の仁王様が左右にいらっしゃって、第一番の札所にふさわしい風格ある山門なのですが、妙なマネキンが立っています。手ぬぐいを姉さんかぶりにした奥様風の女性。お遍路フル装備です。
なぜか杖を2本持ってます。杖は弘法大師の化身で、弘法大師とともに歩くから同行二人(どうぎょうににん)って言うんですが、これじゃあノルディックウォーキングスタイルだよ。
マネキン2(納経所)
そして納経所の前にもマネキンがいます。なぜこのポーズ。ジョジョ立ちかな? こちらもフル装備だけど、靴はパンプス、化粧ばっちり。こんな靴じゃあとても八十八ヶ所歩くことはできないし、フルメイクでは美に対する執着ありまくりで修行にふさわしくないような……。
マネキン3(売店)
また別のマネキンです。この女性はかなりバタ臭い顔立ち。外国の方でしょうか。八十八ヶ所巡りは人種を問わず参加できるから欧米人でも別に良いのだけど、こちらも修行にしては化粧が濃すぎる気がします。チークばっちり、リップこってり。
マネキン4(手水)
手水の前にいるお嬢ちゃん。三つ編みに笠を被って準備万端。……あ、よく見たら靴がズック靴だ。こんな学校の上履きみたいなので歩いたらすぐに足が豆だらけになっちゃうよ。それと子供一人で歩いたらだめだよ。お父さん、お母さんどこ?(お母さんは山門にいる人かな)
マネキン5(軽食店)
ちょ、いったいどれだけマネキン好きなのよ! 棒立ちの女性(男性?)。深く笠を被っているので表情がよく見えません。なんかこわい。
マネキンを設置するのはいいんですが、どれも昔の洋品店にいるような古いタイプのマネキンってのはどうなんでしょう。せっかく由緒あるお寺なのだから、もうちょっと和風の人形にした方がよいのでは……。
水子地蔵の池
でもマネキンが視界に入らないようにすれば、歴史を感じさせる美しいお寺だと思います。これは水子地蔵のある池。錦鯉も泳いでいて癒されますね。金色の赤ちゃんが蓮の上にひざまずいて手を合わせています。
池の片隅に謎のパンダ
池をぐるっと歩いてみると、なんだこりゃ。どういう趣旨か分からないけどパンダがいます。よく児童公園に置かれてあるような、アバウトなパンダ像。唐突に一体だけぽつんとあるのですが、全く意味不明です。
駐車場の石像「発心」
意味不明なものは、それだけではありません。霊山寺の駐車場周辺に奇妙な石像が何体も設置されているのです。これは「発心(悟りを得ようと決心すること、仏門に入ること)」と題がついている石像。なんともちぐはぐでヘタウマな顔なので、笑いがこみ上げてきます。
石像2「いそがず、ゆるまず」
「いそがず、ゆるまず」と題された石像。足にフクロウが止まっているけど、これも仏教のお話を表しているの? 仏教に明るくないのでさっぱりわかりません。こちらもユーモラスな顔で味がある彫刻です。
石像3「オーイ、待ってくれ」
つづいて「オーイ、待ってくれ」という題の石像。上からフクロウ、猿、謎の生き物、そして下からよじ登っている謎の生き物2。わ、分からん。多分私が無知で邪念が多いからでしょう。
石像4「いざ大海へ」
「いざ大海へ」という石像。クジラに乗っている人。お遍路の笠を被っています。うーん、なんだろう。なんか禅問答みたいだな、この一連の石像。
石像に関する情報求む
フクロウと花のついた棒、羊の像。ごめん、降参。さっぱり分かんない。この石像たち、どなたか詳細をご存知の方どうぞお教えくださいませ。
さすが四国八十八ヶ所第一番札所!
メジャースポット、有名寺だからとあやうくスルーしそうになった霊山寺。珍妙なものがたくさん見られて意外に収穫がありました。さすが四国八十八ヶ所第一番札所。あなどれませんね。(2009年05月06日訪問)【麻理】
参考文献
地図&情報
霊山寺(りょうぜんじ)
住所 :徳島県鳴門市大麻町板東字塚鼻126
電話 :088-689-1111
時間 :07:00~17:00 ※納経印扱い時間
駐車場:無料(普通100台・バス10〜20台)
関連URL:四国八十八ヶ所霊場公式ホームページ:第1番札所 竺和山 一乗院 霊山寺