徳島の日和佐うみがめ博物館カレッタ。アカウミガメの学名「Caretta caretta」から命名されました。2009年のNHKドラマ『ウェルかめ』の舞台にもなりましたよ。
毎年ウミガメがやってくる大浜海岸
徳島県海部郡美波町はウミガメの産卵地、大浜海岸が有名です。毎年5月の半ばから8月半ばにかけて、産卵のためにウミガメがやってくるのです。美波町はトライアスロン競技の普及・発展に務めていて、毎年、ひわさうみがめトライアスロンも行われているんですって。
ウミガメの生態について学べる
そんな大浜海岸に隣接しているのが日和佐(ひわさ)うみがめ博物館カレッタ。世界中のウミガメの剥製の展示、ウミガメの生態が解説されたパネルや、ハイビジョンシアターでウミガメのことを学ぶことができます。
その前身は昭和25年から始まった日和佐中学校のウミガメ研究。子ガメの人工孵化や飼育にも力を入れている博物館です。
ずらり並んだウミガメの剥製
世界各国のウミガメの剥製。手前の赤い背景の剥製がアカウミガメで、その隣の青い背景がアオウミガメ。大浜海岸のウミガメはアカウミガメで、体の色は茶褐色や赤褐色。大体雌の甲の長さは90cm前後。アオウミガメとの違いは、頭ががっしりしているかほっそりしているかです。
世界最小のカメ・フロリダシマドロガメ
世界最小のカメは甲長が98ミリのフロリダシマドロガメとありました。でもネットを調べてみるとミシシッピーニオイガメ、カブトニオイガメ(レザーバックマスクタートル)、シモフリヒラセリクガメといろんな亀が世界最小を名乗っている模様。諸説あるのかな。
世界最大のカメ・オサガメ
世界最大の亀はオサガメ。体重900キロ以上、体長2メートルにもなります。そして亀の中で最も深く潜ることができるみたい。なんと水深1230メートル! 浦島太郎を龍宮城に連れて行ってくれたのはオサガメかもね。
レプリカ化石でみる最大の亀
これは生きていたら世界最大の亀だったアルケロン(アーケロン)の模型。白亜紀後期の地層から発見された化石で、体長は4メートル、体重は1〜2トンもあったそうです。ガメラそのもの!
屋内水槽の子ガメ
こちらの屋内水槽では子ガメが生育年ごとに分けて飼育されています。飼育員のお兄さんがウミガメの生態について解説してくれますよ。
一生懸命水をかいて泳ぐ
ちっちゃいウミガメが懸命に水をかいている姿が可愛すぎ。年長さんになった子ガメは優雅に泳いでいますね。水槽からこちらが見えるのかな。私に向かって泳いでくれるとかなり嬉しい。
年々減り続けるウミガメ
ウミガメの産卵について学べるパネルです。日本全国どこもウミガメの産卵回数やウミガメの上陸頭数って年々減っているんですね。大浜海岸では昭和40年代では100〜300頭上陸していたのに、平成に入ってからは結構100頭を切っていて、2010年は53頭、2011年は16頭、2012年は19頭だけ(年別上陸頭数表 | 美波町)。寂しい。
子ガメは海の光へ向かっていく
地下60センチの砂の中で生まれる子ガメ。子ガメは光の方向へ向かう性質があり、真っ暗な海岸では陸よりも海の方が明るく見えるから夜中でもまっすぐ海へ這っていけるんですね。
でも陸側がネオンや街灯、住宅のライト、信号機など人工の光で明るいと、海までたどりつけません。観光客の懐中電灯やフラッシュ撮影も厳禁。地元の積極的な保護活動や協力が必要です。
熱帯魚のふれあい水槽、ウミガメの池
屋外のプールでは、熱帯魚と触れ合える水槽、大人のウミガメが飼育されている池などがあります。小さいお子さん連れのご家族が多く触れ合いを楽しんでいました。
注意!恐ろしくかみます
ただし。ウミガメは絶対触れ合っちゃだめ。「注意!恐ろしくかみます」という注意書きがありました。「触らないでね」ではなく、恐ろしくかみますとあるところに日和佐うみがめ博物館カレッタの本気度が現れています。ガラスや金網に隔てられていない海で、ウミガメといつか一緒に泳ぎたいなあ。(2009年05月03日訪問)【麻理】
追記:2013年10月10日
その後念願が叶って、2012年09月14日に沖縄県渡嘉敷島でウミガメと一緒に泳ぐことができました。幸せ!
参考文献
地図&情報
日和佐うみがめ博物館カレッタ(ひわさうみがめはくぶつかんかれった)
住所 :徳島県海部郡美波町大浜海岸
電話 :0884-77-1110
時間 :09:00~17:00
休館日:月曜日(国民の祝日にあたる時はその翌日)、年末年始12月29日~31日。
入館料:大人610円
駐車場:無料(40台)
関連URL:日和佐うみがめ博物館カレッタ | 美波町