青森駅の港にある青函連絡船八甲田丸は連絡船としての役目を終えてミュージアムとなっています。大正時代の船内を再現したマネキンが不必要なまでにリアルで珍度高し。
1988年に役割を終えた青函連絡船
青函連絡船(せいかんれんらくせん)は明治41年から昭和63年(1908〜1988)まで、青森駅と函館駅とを結んでいた鉄道連絡船です。1988年に開通した青函トンネルのおかげで北海道と青森を行き来しやすくなり、青函連絡船はその役割を終えました。30年近く前までは運航してたんですね。
『津軽海峡冬景色』の歌謡碑
青函連絡船が渡っていたのは津軽海峡。石川さゆりさんの演歌『津軽海峡冬景色』を思い出される方も多いでしょう。青函連絡船・八甲田丸の前には『津軽海峡冬景色』の歌謡碑があります。ちなみに石川さゆりさんは熊本出身。私てっきり青森だと思ってました。
大正時代の船内を再現
八甲田丸船内には大正時代の船内を再現したコーナーがあります。窓には海の景色が映し出されていて波が揺れています。薄暗い展示室を歩くだけで当時の青函連絡船にトリップ。乗客の人形それぞれにドラマがあるようで、細かい部分まで小道具が作り込まれてます。制作者の情熱が伝わってきますね。
老夫婦の人形の背後で寝ている青年
やつれた髪のおばあさんとむっつり押し黙ったおじいさん。人形だから当然黙ってるんですけどね。本当に老夫婦が言葉少なに座っているようなんです。壁を向いて寝ている青年がちょっと不気味です。
80年代の立体映像でちょっぴりブルー
3Dシアターという海中風景の立体映像があったので、青と赤のメガネをかけて鑑賞。思いっきり80年代です。ショボショボの立体映像の上、私しか観光客がいないため気分はブルー(80年代死語)。海中風景だけに。
びっくり、船長室に人が!
連絡船ブリッジに向かい船室などを見て回っていると、船長室に人が。ぎょっとして思わず声をあげてしまいましたがこれもマネキン。この船長人形、向こうを向いていて表情が見えないんですよ。これが怖い。怖がらせてどうするんだ。
海の向こうは北海道
窓の外は気持ちの良い空と海が広がっています。デッキの最上部から眺めは最高。津軽海峡の向こうにあるのが北海道。昔は北海道を行き来するのはこの青函連絡船しかなかったんですね。天気の良い日は良いけど荒れた冬の航海は辛かったろうなあ。
ブリッジであなたも船長気分
船の心臓部・ブリッジでは船長気分で舵をとることだってできますよ。船を操縦するシミュレーターがあったのでレッツトライ。これまた80年代のマイコンゲームの香りがするシミュレーターであります。でも結構夢中。
マシン萌えの人が心躍る風景
地下のエンジンルームは、マシン萌えの方もご満足いただける風景。単動4サイクルトランクピストン排気ターボつきディーゼルエンジン(長!)は1600馬力。8基あります。迫力があってカッコイイ!
鉄道列車がまるごと乗っている巨大船
青函連絡船は列車をまるごと載せることができる巨大船でした。鉄道車両を輸送するためのスペースがある船は世界的にも珍しく、本物の郵便車両も展示されているので鉄ちゃんは必見。八甲田丸はトホホとスゴイが混在する珍スポットでした。(2006年06月03日訪問)【麻理】
追記:2012/07/11
東京船の科学館・羊蹄丸の青函ワールドが、八甲田丸に引越しいたしました。2012年07月31日から公開。羊蹄丸の個性的な人形たちが、八甲田丸で再び見られます。

参考文献
地図&情報
青函連絡船(せいかんれんらくせん)メモリアルシップ・八甲田丸(はっこうだまる)
住所 :青森県青森市柳川1-112-15
電話 :017-735-8150
入館料:大人500円
休館日:夏季は無休 冬季は月曜、年末年始、03月第2週の月~金曜
時間 :09:00~19:00(04月~10月) 09:00~17:00(11月~03月)
駐車場:無料(70台)
関連URL:青函連絡船メモリアルシップ八甲田丸