福島県郡山市の高柴はデコ人形で知られている伝統民芸品の村です。その高柴デコ屋敷の一角に異彩を放つ建物があります。それが性風俗資料館(秘宝館)、性信仰玩具 道六館です。
人形作りの集落・高柴デコ屋敷
高柴デコ屋敷(たかしばでこやしき)は三春駒と三春張り子人形の発祥地。デコ屋敷の「デコ」とは人形のことです。江戸時代から続く人形作りは今もこの地に息づいており、現在も4軒の工房でデコが作られています。おみやげ屋さんには色とりどりの張り子のダルマ、十二支、雛人形、五月人形が並んでいます。
デコ屋敷の一角にある秘宝館
そんな歴史と伝統溢れるのどかな高柴デコ屋敷の集落の奥に、性信仰玩具道六館(せいしんこうがんぐどうろくかん)という秘宝館があります。ここは、デコ屋敷の中の一つの彦治民芸(ひこじみんげい)というお店が運営している資料館です。私が到着したのは朝の9時ちょっと前。開館時間までまだ少しあるので、周りをぶらりと見て回ることにしました。
男根や女性器を祀ったお社
道六館のすぐ裏に、三春駒の神社がありました。その近くにはたくさんの男性器の木型や女性器のように見える石などが奉納されたお社。多産、安産、夫婦円満のご利益がありそうです。
珍しい無人の秘宝館
道六館に戻ると入り口の赤いランプが緑のランプに変わっていました。ここはかなり珍しい無人の秘宝館なのです。自販機でメダルを購入してドアの前の器械に挿入。よく遊園地にあるような回転ドアのレバーを押しながら入り口に進みます。なかなか面白い仕掛けです。
一部屋にみっしりと珍品の数々
建物の中は一部屋だけです。でもこれがまあ、よくもこんなに集めたものだと感心するぐらいの珍品でいっぱい。どれもとても良く手入れされていて美しく陳列されています。1品1品見て行ったら相当時間かかりそう。
またぎ道六神をまたいでなでよう
中央の床にドーンと置かれた巨大な男根。私の伸長以上あります。またがる観光客が多いのかツヤツヤと輝いています。「またぎ道六神 またいで三回なでてやってください。幸運に恵まれます」と書いてありました。
丁寧に分類されたコレクション
ガラスの陳列ケースには丁寧に分類された、人形、浮世絵、根付、おみやげ品。単にやたらめったら集めましたという感じではなく、種類別・大きさ別にきちんと分類されているところに好感が持てます。モノが重なっていないので見やすいですね。お客さんのことを良く考えている展示だと思いました。
ユーモラスな日本の性風俗民芸品
全体的には民芸品寄りのコレクションが多いようです。日本のものが7割ぐらいかと思います。日本の性民芸品は、あたたかみがあってユーモラス。どぎつくないので女性でも安心して見学できますね。この手の展示ではお約束の「下はのぞかないでください」の注意書きも牧歌的です。
百円を入れると……なマネキン
のどかな雰囲気の展示品とは対照的に、セクシーな衣装のマネキン(マリリン・モンロー)が目を引きます。「百円入れてからの、お楽しみ」。秘宝館慣れしているあなたなら、何が起こるかもちろん予想出来ますよね。下からの突風でいや〜ん的なアレです。
対照的な2体のマネキン
正面のガラスケースのマネキンは2体あって、右側はあっけらかんとした表情。左側はちょっと寂しげな表情。個人的にはおっぱい丸見えの衣装で満面の笑みのモンローよりも、右の方の憂いを帯びたマネキンの方が情緒があって好きだなあ。
館内にガンガン流れる猥歌
写真では伝わらなくて残念なのですが、入館すると同時に自動的に室内には猥歌(わいか)がガンガン流れるようになっているのですよ。「炭坑節」のメロディで、「あたしゃ〜抱かれて〜眠りたい〜♪」みたいなエロ歌を聞きながらコレクションを見られる心憎い演出が光ります。さのよいよい。
天井の展示もお見逃しなく
結局1時間近く見て回って、さあそろそろ帰ろうかとふと上を見上げると、なんとこんな場所にもガッツリ展示が。裸のマネキンの男女や、等身大のポルノ女優ポスターが天井近くに飾られています。訪れる方はぜひお見逃しなく。
おみやげには48手手ぬぐいを
無人とは言え、ちゃんとおみやげも自販機で購入できるようになっています。48手手ぬぐいは500円です。一応ジャンルとしては「秘宝館」なのですが、ここはむしろ「性風俗関連の資料館」という位置づけの方が良いかもしれないですね。(2013年11月26日訪問)【麻理】
参考文献
地図&情報
高柴デコ屋敷(たかしばでこやしき)性信仰玩具道六館(せいしんこうがんぐどうろくかん)
住所 :福島県郡山市西田町高柴
電話 :024-972-2412(彦治民芸)
入館料:400円
時間 :09:00〜17:00
駐車場:無料