福島県のUFOふれあい館はこだわりも素晴らしく、珍スポットマニアにも愛され、地元住民の憩いの場ともなっているという三拍子揃ったミュージアム。これぞキングオブ村おこし!
UFO伝説を元に1992年オープン
福島市の南西部に位置する飯野町地区は昔からUFOの目撃談が多く、山が円錐形をしていたり、巨石が点在していることからUFOの秘密基地ではないかと噂されてきました。
そんな伝承を元に村おこし的博物館として1992年にUFOふれあい館がオープン。名前が実にいいです。ふれあい、ドリーム、パラダイスが名前についているスポットは名珍スポット多いんですよね。
ふるさと創生資金の成功例
円錐形の山・千貫森の山中にあるUFO博物館はUFOの形をしています。そしてあなたもお察しの通り、日本全国に数々の珍スポットを生み出したふるさと創生資金(竹下登内閣)の1億円を元に作られているのです。開館から22年経っても健在なUFO博物館、ふるさと創生系の博物館の中でも数少ない成功例と言えましょう。
素晴らしいUFO文献の数々
入館してすぐに目に飛び込んでくる本の山! すべてUFOに関する貴重な文献です。これらはUFO研究のパイオニアと言われる、荒井欣一氏(1923〜2002)によって寄贈された3000点もの資料。荒井氏が結成した「日本空飛ぶ円盤研究会」には、三島由紀夫や星新一も会員だったんですよ。すごいメンツ。
学研『ムー』は創刊号から揃っている
私が目を見張ったのは、学研『ムー』の本棚。創刊号から最新号までのすべてが揃ってるんです! 私も創刊号から10号までは所蔵していますが、すべて揃っているのを見ると圧倒されますね。ね、知ってた? 『ムー』の創刊号から6号まではサイズが一回り大きかったんだよー。
懐かしすぎるUFO本
私と同世代の人にとってはこの写真、超懐かしいんじゃないかしら。小学館のコロタン文庫とか、ジュニアチャンピオンコースとか、モンキー文庫とか子供の頃夢中になって読みませんでした? こんな本がどっさりあるなんてすごすぎでしょ、ここ。
本物のミステリーサークルの麦
これなんかイギリスのミステリーサークルの麦ですよっ! もうすでにミステリーサークルはいたずらで作られたものだと解明もされていますが、それでも往年のUFOマニアには嬉しいコレクションです。言っときますけどまだ館内に入ってないですからね、入り口の時点ですでにテンションマックス。
ミステリーゾーンは妖しいライティング
「ミステリーゾーン入り口」と書かれたゲートから中に入ります。妖しいライティングのトンネルを歩くと、ライトアップされた宇宙人に遭遇。千貫森の山を宇宙基地に見立てたジオラマもあって雰囲気満点です。
そしてUFO展示室へ
トンネルを抜けるとそこは展示室。UFOに関する様々な資料、パネル、模型が展示されています。オープンから20年経っているのでやや古びてはいますがきれいに保たれていて、館長やスタッフのみなさんの手入れが行き届いていると思いました。
ノスタルジックなUFO模型
今のハリウッドが作る最先端の宇宙船とは真逆の方向を向いているUFO模型。こんなベタなUFOも、古き良き時代のUFOブームを思い起こさせてとてもノスタルジック。やっぱUFOって言ったらこの形だよね。
超オープンな機密文書
CIAの機密文書もこんなカジュアルに展示されています。機密なのに超オープンなんですけど。メン・イン・ブラック(黒服の男)が来たらどうすんのよ。
なつかしいあの言葉が蘇る
キャトルミューティレーションとか、マジェスティック12とか、ここ10年ほど口にしてないんじゃないかと思われるUFOキーワードもバンバン飛び出します。懐かしすぎておじちゃんやおばちゃんは感涙もの。
最も信頼できる……?
一番おもしろかった展示はこれ。「最も信頼できるUFO写真(ブラジル)」。ちょ、最も信頼できるって書いてあるのに、上から紙が貼ってあったら信頼感台無しじゃないの。しかもお客さんが気になるのか、貼ってある紙を剥がそうとした跡が残ってるのがなんともおかしい。こんな手作り展示も心がほんわかなりますね。
3Dバーチャルシアターで謎に迫る
最も力が入っているのは「千貫森の謎」をテーマにした3Dバーチャルシアターです。この短編映画を見れば、なぜこの地にUFOふれあい館ができたのかがわかります。点在する巨石、不思議な形をした山──なるほど、謎はすべて解けた!
宇宙人と記念写真を撮ろう
宇宙人エリアは、観光客のニーズにガッツリ答えた展示。数々の目撃例から作成された宇宙人の実物大人形と一緒に記念写真が撮れるんです。痒い所に手が届くサービスですね。
キモかわいい宇宙人たち
左はイタリアで目撃されたヒューマノイド・頭でっかち宇宙人(なんちゅうネーミングだ)やアメリカのケンタッキー州で目撃されたヒューマノイド・円盤怪人あんどなど、様々な宇宙人が等身大モデルで再現されています。なかなか可愛い。
裸でも触れ合えるよ!
UFOふれあい館のサービスはまだまだあります。それはなんと展望風呂。2Fはふれあいの間と呼ばれていて、宇宙の間、銀河の間という休憩所&集会所と、UFO電磁波のお風呂があります。
地元の方の集会所としても活用
UFO電磁波って……? 恐る恐る覗いてみましたが、特に変わったことのない普通のお風呂。たまたまなのか誰もいませんでした。普段2Fは地元の方がご近所の方と集まったりできる公民館のような施設となっています。
UFO物産館のイチオシメニュー
UFOふれあい館の向かいには、おみやげと軽食を販売しているUFO物産館があります。軽食コーナーのイチオシはトビウオラーメン。でもトビウオが一匹どかんと入っているわけではなくて、あくまでエキスを使ったラーメンということです。お店のおばちゃんに訊くと、切り込みを入れたノリがトビウオの形を表現しているんですって。
ベントラー、ベントラー、UFOよ来い!
物産館のバルコニーからは、UFOの里を一望できる展望台がありました。清々しい山の景色が広がっていました。きっと夜は星がきれいなんだろうなあ。山に向かってこっそり「ベントラー、ベントラー(※)」って言ってみましたよ。(2013年11月28日訪問)【麻理】
参考文献
地図&情報
UFOふれあい館(ゆーふぉーふれあいかん)
住所 :福島県福島市飯野町青木字小手神森1-299
電話 :024-562-2002
時間 :09:00~17:00
休館日:月曜日(祝日の場合は翌日)・年末年始
拝観料:大人400円(※入浴料込み)
駐車場:無料
関連URL:UFOふれあい館