愛知県日進市の五色園は天才コンクリ像作家・浅野祥雲先生の作品が、壮大なスケールで見られるマニア垂涎の地です。親鸞の生涯が約100体のコンクリ像で見事に再現されています。
松・竹・梅・桜・紅葉の5種の樹木で五色園
五色園のある大安寺は平成10年秋に建立された新しいお寺ですが、五色園自体の創立は昭和9年です。大安寺があるのは20万坪という広大な山。園内の松・竹・梅・桜・紅葉の5種の樹木の彩りによって、五色園という名前がつけられました。
普通の人間の1.5倍ほどの大きさ
敷地内の100体近くある人形がとにかくスゴイ。作者は関ヶ原ウォーランド、桃太郎神社などで知られる浅野祥雲先生。同じポーズで立つ私の大きさと比べるとわかりますが、この人形は普通の人間の1.5倍ほどの大きさなんですよ。
浄土真宗の開祖・親鸞のジオラマパーク
五色園は浄土真宗の開祖・親鸞(しんらん 1173-1263)の生涯の再現ジオラマパークです。「悪人正機(善人なおもて往生をとぐ、いわんや悪人をや)」とか日本史で習いましたね。
親鸞は平安時代の貴族として生ました。彼は生まれてから全く口をきかなかったのですが、2歳の時に急に月を拝んで「なむあみだぶつ」と唱えたそうです。
比叡山で不思議な貴婦人に会う
これは26歳の親鸞。比叡山で不思議な貴婦人(仏の化身?)と出逢い、白絹に包んだ玉を授かる場面。この宝玉は闇夜を照らす玉で、御仏の教えを衆生に伝え導くように言い置いて貴婦人は煙のように姿を消しました。
宗教公園として人びとを啓蒙
人形の側にある説明書きには親鸞がいかに素晴らしい超人で、いかに不思議な体験をしたかが書かれています。園内を散歩しながら親鸞の一生を学べるってわけ。宗教公園として人びとに仏教を啓蒙するための施設なのです。
人間味溢れる顔の人形
これは仏の教えについて真っ二つに分かれて議論しているシーン。人形の表情が実に素晴らしい。一体一体に人生が感じられる、人間味溢れる顔をしています。山のあちこちに置かれた人形を探すのもオリエンテーリング感覚で面白いですよ。歩きやすい靴でどうぞ。
あああ、なんてこと!
池や樹木など場面に合わせて地形を選んでいる壮大なジオラマです。これらの人形は開園当初から何年もかかって作られていったそうです。でも戦後寺の土地が宅地として売却された時、数多くの人形が廃棄処分されてしまったとか。ああ、なんてこと!
極彩色のコンクリ像
サファリパークのようにドライブしながら見て回ることができます。さすがトヨタが近い土地柄ですね。これは苦行の末大蛇に変化した阿門梨という僧が、親鸞の師・法然と出会うシーン。水しぶきの表現、極彩色のペイントにうなります。
地形も各名場面にぴったり
名場面は「板敷山弁円狙撃」のシーン。信者をとられた山伏たちが親鸞暗殺計画を立て武装します。でも偉大なる仏のご加護により計画は失敗。再び親鸞を襲撃したものの、あまりの神々しさにひれ伏し許しを請うシーンです。
地形も各名場面にぴったり
顔の表情がとてもいいですね。地形も計算しつくして人形を配置した、スケールのでっかいジオラマに思わず私もひれ伏したくなりました。紅葉・桜の季節がベストシーズンですよ。(2006年12月13日訪問)【麻理】
参考文献
地図&情報
五色園(ごしきえん)
住所 :愛知県日進市岩藤町一ノ廻間932-31
電話 :0561-72-0006
時間 :08:00~17:00
休業日:年中無休
入場料:無料(3月中旬~4月中旬有料 大人200円)
駐車場:無料