名古屋市の歯の博物館。昔の歯医者さんの様子をマネキンで再現したコーナーや虫歯削り体験などで知られる名珍スポット。リニューアル前とリニューアル後の展示の変化をご覧ください。
あれ、ビルの一室……?
訪れてみてやや拍子抜け。だって見た感じ建物は普通のオフィスビルだし、「博物館」ったって単にビルの一室なんだもん。しかし! そう早合点した私は深く恥じ入りました。小さいながらもここは珍なるものがぎゅっと濃縮された空間だったのです。
小さい中にオモシロ展示が凝縮
平成元年11月にオープンした歯の博物館は、愛知県歯科医師会がプロデュースする全国でも数少ない歯に関するミュージアムです。当然内容は歯学に関するものばかり。でも堅苦しさは全くなく、小さい子も興味津々のオモシロ展示がいっぱいですよ。
カップルにも人気のスポット?
私の他にもなぜかカップルが3組もいらっしゃいました。愛知県のカップルはフツーにこんなとこでデートするんでしょうか。ここを選んだあなた方はなかなかセンスありますなー。こちらはいろんな動物の頭蓋骨。牙がキラリ。
アンティークな機械いっぱいの診療室
メインは何と言っても昔の診療室というコーナでしょう。鉄や木でできたレトロな機械いっぱいの懐かしい診療室が再現されています。もちろんワタクシも歯医者さんは苦手ですが、こんな診察室だったら行ってみたいなあ。
足踏み式のドリルは痛い?
ここに飾られているお医者さんと患者さんの顔にご注目。なんせドリルは足踏みエンジン、足踏レ-ズ。最先端の麻酔技術もないわけですから、患者のおばちゃんの顔は苦痛にゆがんでいます。歯医者さんの顔にかすかに浮かぶ笑みが怖い……。
体験型の展示もいろいろ
インタラクティブな体験展示もいろいろ用意されています。大口を開けた人形と本物の機材を使って歯医者さんごっこしたり、毎分30万回転のドリルで虫歯を削ってみたり。へえ、歯(エナメル質)って鋼(はがね)やステンレスに傷が付くほど硬いんだ!
歯の中には悪魔が住んでいる?
歯痛のオブジェ、これはレプリカですが実物は1780年頃のフランス人が作製したものです。昔の人は奥歯の中に悪魔や蛇や地獄が潜んでいて、歯痛は悪魔がもたらすものと信じていたんですね。ほほう元ネタは18世紀のオスマントルコの歯科本に描かれてたのか!
名古屋の「歯の博物館」にこのオブジェがありました! RT @bigakukenkyujo: 18世紀オスマントルコの歯科本の1ページ。奥歯の中に悪魔や蛇や地獄が潜んでいる。当時まで歯痛は悪魔がもたらすものと信じられていた。 pic.twitter.com/CQS0MQGas5
— 五十嵐 麻理 4/23 ST10 (@IgarashiMari) 2014年6月22日
手づくりの入れ歯いろいろ
入れ歯って紀元前からあるんですって。日本最古の入れ歯は木でできた木床義歯(もくしょうぎし)です。ゴムで歯茎を再現していたりと工夫されていますね。でもきっとこれらはお金持ちの人しか使用できなかったんだろうなあ。
人によってはお薦めできません
ここに来れば歯の雑学がびっちり頭に入りますよ。個人的にはかなりお薦めですが、人によってはかなーりイヤなスポットかも。見てるだけでも歯がうずいてくるような抜歯の器具が並んでいたり、実際に使われている診察台に座ったりできる展示があるから。
縄文人でなくて良かった
そしてそんな人が絶対見てはいけない展示がこちら。縄文時代の通過儀礼の儀式、抜歯や叉状研歯。虫歯でもない健康な歯を削る痛みに耐えられた人のみが成人になれるって儀式ですね。ううう、ガクブル。縄文時代に生まれなくて良かった。(2007年07月14日訪問)【麻理】
追記:リニューアル後の2014年02月08日に再訪しました
リニューアルしたということで再訪してみました。展示物は大幅に減り、あの味のあったマネキンもなくなっていました。小奇麗でさっぱりした館内は、もはや「珍の香り」はまったくせず、珍スポットマニア的には非常に残念に感じました。以下に写真を載せておきます。さようなら、かつての歯の博物館。(2014年02月08日訪問)【麻理】
参考文献
地図&情報
歯の博物館(はのはくぶつかん)
愛知県歯科医師会館建て替え工事に伴い、歯の博物館は2012年10月04日にリニューアルオープンしました。リニューアル後の館内は展示物が大幅に削除されマネキンもなくなっています。大変残念です。記事の下に現在の歯の博物館の写真を載せておきました。追記をご覧ください。住所 :愛知県名古屋市中区丸の内3-5-18 愛知県歯科医師会会館 1階 あいち口腔保健センター内
電話 :052-962-8020
時間 :10:00~12:00 13:00~16:00
休館日:木・土・日・祝、旧盆、年末年始s
入館料:無料
駐車場:なし
関連URL:歯の博物館