愛知県名古屋市にある下水道科学館ではドラクエ風のマジックビジョンシアターや、DDRのようなゲームなどで下水についての全てを学べます。これであなたも下水博士になれますよ!
なぜ愛知県だけ2つも下水道館が?
愛知県下水道科学館に続いて行ってみたのはまたもや下水道関係。全国では札幌、東京、愛知、滋賀、大阪、九州に下水道科学館があります。
愛知だけ下水関係の施設が2つもありますが、名古屋市北区の下水道科学館は自治体である名古屋市上下水道局の管轄で、愛知県下水道科学館は愛知県から受託された愛知水と緑の公社が運営しているみたい。
こちらはかなり地味
名古屋市の下水道科学館は、愛知県下水道科学館に比べてかなり地味。ワンフロアしかないし展示物も少ないです。下水から再生された水で生きている金魚の水槽は華やかで目を引きますが、週末だと言うのにお客さんは誰もいなくてひっそりとしています。
地下王国への冒険が、いま、始まる?
パンフレットにはドラクエ風のキャラクタが描かれていて「地下王国への冒険が、いま、始まる」とやたらカッコイイのですが、内容はやっぱり下水関係。潜水艦・ドロンクリン号が下水処理施設へワープして、水の浄化システムを調査するお話です。でもなかなかの出来で、浄化処理のシステムがばっちり頭に入りますよ。
マジックビジョンシアターはお薦め
ところでワタクシ、下水道科学館をあちこち見てまわるまでは、下水処理って化学的に何か薬品など混ぜて人間の力で処理してるんだと思ってたんですよ。でも根本のところはバクテリアに食べさせるという極めて原始的な処理だと知って驚きました。
下水処理は肥だめシステムと同じ
下水にブクブクと空気を送り込んでバクテリアを活性化させて、下水中の細菌や有機物をバクテリアが分解することによって水を綺麗にするシステム。つまりこれは昔ながらの肥作りと同じで、肥だめにウンコをためて、リンや窒素などまでバクテリアに分解させて肥料にする方法と全く同じなんです。
つい最近まで海洋投棄が行われていた
さらにビックリしたのが、2007年の2月に全面禁止されるまで、日本でも屎尿・下水の海洋投棄が行われていたんですよ。海に捨てられたウンコはリンや窒素など栄養分となる栄養塩になって、植物プランクトンが栄養塩を食べて、それを魚が食べる。そして人間が魚を捕って食べる。グルグル循環してるー!
いや、驚くのはそこじゃなくて。下水・屎尿処理が行われるようになったのって割と最近なんですね。びっくり。
赤潮・アオコの発生する原因
問題なのは、都心の方で各家庭から下水処理施設までの下水管が長くなっている場合。下水管の中でバクテリアによって栄養塩になってしまうと、下水処理場で処理できなくなります。栄養たっぷりの栄養塩がそのまま海に流れてしまうと植物プランクトンが大発生。それが赤潮とかアオコとかになって海面を覆い、大量に魚が窒息死してしまいます。
理想的には下水処理場をたくさん作った方が良いのだが
理想としては人口の多い地域は下水処理場をたくさん作って、下水処理場までの下水管を短くすることが良いんですね。でも都市部では難しいから昔みたいに、各農家で肥だめを作ってバクテリアに分解させた肥えを食物の栽培に使ったら、リサイクルとしても環境的にもベストかもしれません。
下水道館って勉強になるねー
下水道科学館のレポというより、下水処理システムのお話になっちゃってごめん。でもブランドもののエコバックを並んで買うよりも、下水道館行った方がずっと地球環境の大切さが分かります。みんなレッツゴー下水道館!(2008年06月29日訪問)【麻理】
参考文献
地図&情報
下水道科学館(げすいどうかがくかん)
住所 :愛知県名古屋市北区名城1-3-3
電話 :052-911-2301
休館日:月曜・年末年始
時間 :09:30~16:30
入館料:無料
駐車場:なし
関連URL:名古屋市上下水道局 下水道科学館 水のきれいラボ