名古屋市の万松寺(または萬松寺)。若き日の織田信長が父親・信秀の葬儀で抹香を位牌に投げつけるというご焼香事件が起こったお寺です。光り輝くLEDの納骨堂は新時代のお墓です。
父が眠っている納骨堂です
今回の記事は父のお墓(納骨堂)について。身内の不幸を書くのはいかがなものかとも思いますが、ハイテク設備に感銘を受けましたし、興味のある方も多いかと考え、ご紹介することにしました。
秋葉原の電気街と巣鴨と裏原宿的な町
場所は名古屋市中区大須(おおす)。東京で言うと秋葉原の電気街と巣鴨と裏原宿を足して3で割ったような土地にあります。萌え系の女の子のポスターと伝統あるお寺が同じ商店街に並んでいて、若者と高齢者で賑わっています。
新しいスタイルのお寺
万松寺の歴史は長いのですが、新しいスタイルの仏教にも積極的です。床にはパネルヒーター、法要のためのマイク・スポットライト設備、天上内に鉄骨アーム、電動ウィンチ装置など、かなり大がかりなリニューアルをしています。
からくり信長人形は調整中
また、壁面には信長のからくり人形が舞い踊るシアターが組み込まれているんですよ。一定の時間が来ると、例のご焼香事件の一場面や、「人間50年、下天の内をくらぶれば~」という信長の舞が披露されます。珍風味です。
2009年02月にハイテク納骨堂・水晶殿オープン
2009年02月14日に大須の中心にある万松寺にハイテク納骨堂・水晶殿がオープンしました。以前から納骨堂はあったのですが、それはこのポスターのように豪華ではあるものの、特別変わったところのないスタンダードな納骨堂でした。
納骨は一番乗りかも?
水晶殿はその名の通り、光り輝くクリスタルのような空間。広さ120平方メートルの本殿の壁には、2000基の納骨ボックスが引き出し式で格納されています。すでに800基が発売直後に契約・予約されました。うちもその中の1基なんですが、納骨までしているのはおそらく我が家が一番乗りぐらいじゃないかと。
400通りの発光パターン
壁の引き出しの表面には発光ダイオードが組み込まれており、コンピュータによって赤、黄、緑、青、金の5色で400通りの発光がプログラムされています。IDカードを入り口のセキュリティシステムにかざして入場すると、あたりには荘厳なシンセサイザーの音楽が響き、まばゆいの光に包まれます。ご住職によると「納骨堂の暗いイメージを覆すのが狙い」なんだそうで、その試みは見事に成功してるのではないかと。
お墓の場所が点灯される
壁一面が納骨ボックスだから、どこがお墓なのか分かりにくいのでは? いえいえ心配ご無用。該当するお墓の場所が点滅し、光で知らせてくれるので、別の人のお墓に手を合わせてしまうこともありません。
イルミネーションはお好きなパターンで
波紋のような光の輪が広がって、一つだけお墓が別の色のLEDで光ります。イルミネーションの色は好きなパターンを選択できます。私たちは派手好きな父らしいゴールドにしました。
至れり尽くせりのサービス
入場やネット参拝は認証ICカード・IDパスワードで行うので他人は勝手に入れないからセキュリティも万全。ネット上のアーカイブに故人の写真やムービーをアップロードでき、日本国内だけでなく全世界から24時間ネット参拝可能。移転・分骨の手続きも簡単。檀家になる必要もありません。毎日朝夕2回の供養の他、各法要も万松寺が丁寧に行ってくれるし、お墓の掃除も無用。お布施も明快、ローンもOK。宗教宗派も問いません。
珍なだけではありません
実家の墓に入りたくない人、独身者や離婚して入る墓がない人、子供に迷惑をかけたくない人など様々な事情を持つ人が殺到しています。陰気で鬱々とした納骨堂よりも、電子技術に囲まれた現代人はこっちの方が合ってる気がしますね。
万松寺さんありがとうございました
各種メディアで取り上げられましたが、単に珍しいだけでなくサービスの充実ぶりも評価されているようです。万松寺さんにはいろいろとご相談にものっていただきました。とても感謝しています。
父の趣味に合っているので
水晶殿のニュースをラジオで聴いた母が「これにする!」と主張したこと、先代のご住職と父が友人というご縁があったことと、ハイテクなお墓は新しいモノ・ど派手なこと大好きな父の趣味に合っているということで決まりました。どうでしょうお父さん、居心地はいかがですか。(2009年03月09日訪問)【麻理】
参考文献
地図&情報
万松寺(ばんしょうじ)水晶殿(すいしょうでん)
住所 :愛知県名古屋市中区大須3-29-12
電話 :0120-157-942
時間 :09:30~19:30
駐車場:有料800台
関連URL:万松寺