名古屋市で最も古い円頓寺商店街は下町情緒が残るスポット。毎年7月の末には5日間の、円頓寺七夕まつりが開催されます。アーケードに吊るされたハリボテマスコットは珍な味わいです。
江戸時代から続く商店街
中心街である名古屋駅から徒歩10分の場所にありながら、昔ながらの下町情緒が残る古き良き商店街です。商店街の歴史は江戸時代までさかのぼり、名古屋城の城下町としてたくさんの商家が並んでいました。明治以降には名古屋の盛り場として発展し、大きな商店街が作られました。
有名になってほしいようなほしくないような……
円頓寺商店街の七夕まつりは地元名古屋の人々の毎年の楽しみとなっています。でも掲載を迷っていたのは、このお祭りが有名になってほしいようなほしくないようなある事情があったからです。
珍スポットポイントは張りぼて
円頓寺七夕まつりの珍奇なものといえば、アーケードに吊るされた張りぼてです。これらはみんなお店の手作りなんですよ。たとえばこれはスペイン料理のお店のパエリア張りぼて。パエリアのお皿にタコやホタテなど海鮮がどっさりのった、かなり巨大なもの。
薬屋さんはサトちゃん張りぼて
こっちは薬屋さんのゾウのサトちゃん張りぼて。こんな風にそのお店ごとに特色を出した張りぼてもあります。こういった手作り感覚あふれる素朴な張りぼてがアーケードの天井に100体近くあるのです。
張りぼての作り方
張りぼては木や竹ひごで立体的に形作ったカゴに、新聞紙などを貼り付けて作ります。大きさの割には軽く作れるのでアーケードの天井に吊るせるんですね。この宇宙戦艦ヤマト、遠近法のデフォルメがお見事ですね。
張りぼてはお店の人の手作り
お店の人に聞いたところ、土台のカゴは一から手作りするお店もあれば、専門の職人さんに作ってもらって新聞紙の貼り付けと塗装だけ自前でやるお店もあって様々だそうです。2、3週間前から、閉店後の夜に準備し始めます。
左の食パンマンはダンボールで作ってありますし、アンパンマンは張り子の本格型。このアバウトさがいいですね。
これってちょっとやばくないか?
賢明な読者の方々はもうお気づきでしょう。なぜこのブログで紹介するべきかやめるべきか迷っていた理由が。そう、実はこれらの張り子、著作権という点でまずいんじゃないかと心配なのです。人気のアニメのキャラクタがモデルに使われることが多いんですよね。
こ、この張りぼては……
特に大丈夫だろうかと気をもむのが、これ。泣く子も黙る著作権の鬼、ディズニーです。全キャラ勢揃いです。これはやばすぎる。
なんとか見逃してほしい
あっけらかんとディズニーキャラを張りぼてにしてしまう円頓寺が、いかにも珍で面白いのですが、その一方で大丈夫かなとハラハラしてしまいます。キャラクタの作者の皆様、たった数日のことだしお祭りだってことで、なんとか見逃してもらえないでしょうか。
あなただけにお教えしたい
私はゆるキャラをさらにゆる〜くしたキャラ大集合の円頓寺七夕まつりが大好きです。もっともっと有名になってほしいという気持ちと、あまりに有名になりすぎては困るという相反する気持ちを持っています。できれば珍スポットを愛するあなただけにこっそりお教えしたいお祭りです。(2012年07月28日訪問)【麻理】
参考文献
地図&情報
円頓寺七夕まつり(えんどうじたなばたまつり)
日にち:07月の下旬
住所 :愛知県名古屋市西区那古野
電話 :080-1626-2718
関連URL:あるく下町情報誌「ポゥ」の縁側日記