真っ暗闇でわっはっはと笑う祭り「オホホ祭り 酔笑人神事」【愛知】

酔笑人神事 オホホ祭り
真っ暗闇の中、笛の音に合わせて神官が「わーはっ、はっ〜!」と笑う祭りがあります。百聞は一見にしかず。愛知県熱田神宮で行われる不思議な奇祭、オホホ祭りをご覧ください。

格式の高い熱田神宮で行われる

酔笑人神事 オホホ祭り
オホホ祭り(酔笑人神事:えようどしんじ)は毎年05月04日に愛知県名古屋市の熱田神宮(あつたじんぐう)で行われます。

熱田神宮と言えば三種の神器(鏡、剣、勾玉)のうち草薙の剣をお祀りしている(といわれている。ホントにあるかどうかは不明)、格式の高い神社。毎月のように祭事が行われていますが、オホホ祭りは中でもかなり奇妙で珍しい神事なのです。

気合たっぷりの観光客

酔笑人神事 オホホ祭り
18時30分。日が落ちてやや薄暗くなりかけるとあちこちから観光客が集まり始めます。みなさん偶然に祭りに出くわした一般観光客ではなさそう。かなり多くの人が一眼レフやビデオカメラを装備していますからね。世にも珍しい奇祭をこの目で見んと気合たっぷりです。

神官たち登場

酔笑人神事 オホホ祭り
18時45分。動きがありました。建物の中から神官たちがぞろぞろと外に出てきました。観客一同がざわめき、カメラを構えます。警備員の方がここから中に入らないようにと指示をしていますので、神官からの距離は50メートルほど離れています。

提灯を手に一同整列

酔笑人神事 オホホ祭り
18時50分。次々と神官が歩き出て、一列に並んでいます。20人ほどでしょうか。手には明かりのついた提灯を下げていますよ。いったい何が始まるのかとワクテカ状態。

【動画】いきなり歩き始める神官

18時55分。突然太鼓の音が鳴り響き、神官たちが、ザッ、ザッ、ザッ、ザッと足並み揃えて森の方へ向かって歩き出しました。前の方で脚立に登っていたカメラマンが次々に飛び降ります。神官ご一行様に遅れてはならじと、みなさん慌てて追いかけ始めました。私も追いかけなきゃ!

砂利を踏みしめ神官を追う

酔笑人神事 オホホ祭り
あたりは急激に暗くなり始めています。無言で早足になりつつ神官を追う観光客。ザッ、ザッ、ザッ、ザッという砂利を踏みしめる音が響きます。神官たちの持つ提灯の明かりが、人垣の間から微かに見え隠れします。たくさんの人が歩くので砂煙も上がっています。

【動画】立ち止まると笛の音が

19時05分。周りの人たちが急に立ち止まりました。おっと危ない! 前の人にぶつかりそう。この神事のために境内の明かりは全て消されていて真っ暗闇。すると、笛の音が聞こえてきました。ピ〜ロ、リ〜ロ〜♪ わーっ、はっ、はっ、はっ、は〜!

真っ暗で見えない!

酔笑人神事 オホホ祭り
真っ暗で何も見えない? 仕方ないんですよ。観光客には事前にフラッシュを極力たかないようにというお達しがあるからです。笛の音の前には小さな声で「オッホ、オッホ」という掛け声のような笑い声が入り、笛の音とわっ、はっ、はっのコンボが数回繰り返されるみたい。

再びザッ、ザッ、ザッ、ザッ

酔笑人神事 オホホ祭り
そして再び神官たちが別の場所へと移動し始めました。ザッ、ザッ、ザッ、ザッ。観客も無言でザッ、ザッ、ザッ、ザッ。真っ暗闇の中、ものすごく統制がとれています。なんぞこれ。シュール過ぎる。たまたま観光に訪れた外国人とかどう思うんだろう。

【動画】見てはならない仮面を叩いて笑う

そしてまたある場所でピタリと止まり、オッホ、オッホ、ピ〜ロ、リ〜ロ〜、わーっ、はっ、はっ、はっ、は〜! 真っ暗なので何が行われているのか見えないのですが、公式サイトによると神官が装束の中に隠し持っている、決して見てはならないという仮面を扇で叩いては笑っているようなのです。この儀式を一同で移動しながら、影向間社、神楽殿前、別宮前、清雪門前の4ヶ所で繰り返します。

不思議すぎる45分間の祭り

酔笑人神事 オホホ祭り
19時45分。4ヶ所回って無事今年のオホホ祭りも終了しました。ご神体の草薙の剣が熱田神宮に返還されたことを、喜びを込めて高笑いしたという故事にちなんでいるそうです。でもなぜ暗闇なのか、あの笛の奇妙な音階は何なのか、なぜ仮面を見てはならないのか、どうして扇で仮面を叩くのか──頭の中が疑問でいっぱいになる不思議すぎる神事です。(2012年05月04日訪問)【麻理】

参考文献

地図&情報

熱田神宮(あつたじんぐう)酔笑人神事(えようどしんじ)オホホ祭り

住所 :愛知県名古屋市熱田区神宮1-1-1 熱田神宮内
電話 :052-671-4153
日にち:05月04日
時間 :19:00~
入場料:無料

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