愛知県のうじ虫祭りは大の大人が酔っぱらって集団で道路に寝っ転がる仰天の祭り。新宿駅なら通行人は顔をしかめ警官は職質するでしょうが、ここ牛久保のうじ虫祭りなら問題なしです。
紋付き袴姿の青年氏子たち
正式には若葉祭、うなごうじ祭りですが、うじ虫祭りと呼ばれることが多いようです。町には上若組、西若組、神児組、笹若組と言われる4つの集会所があります。上若組に紋付き袴姿の男子がいますね。彼らが行列に参加する氏子で18歳から25歳までの若者。
天王社にある獅子頭を八幡社に奉納する御輿行列
午後3時になって牛久保八幡社から行列が出発しました。このお祭りは天王社にある獅子頭を八幡社に奉納する御輿行列が主体なんです。
うじ虫祭りのいわれ
ではなぜうじ虫なのか。一説には、笹若組の特徴であるヤンヨー神(やんようがみ)の踊りがうじ虫に似ているからと言われています(※)。
その昔、牛久保の城主が領地の農民をねぎらうために、農民を城へ招いてご馳走しました。彼らは大いに酔っぱらい、道に寝っ転がったと言います。領主の恩を後世に伝えるために、その様子を踊りにしたのがはじまりとか。
笹若組の笹踊り・ヤンヨー神
笹若組の集会所には農民姿のヤンヨー神と真っ赤な衣装を着て太鼓を持った3人組がいました。かっこいい! 上若組を出発した山車が近づいてくると、3人はすっくと立ち上がり太鼓を叩き始めました。同時に始まるヤンヨー神たちの歌。さあ~げにもさあ~やんようがみもやんよう♪
【動画】茶髪にピアスの青年もビシッと参加
各組は馬簾(ばれん)と言われる山車を掲げています。氏子の青年たちは渉り(わたり)という決まりによって引き継ぎの儀礼の挨拶をするのです。茶髪にピアスの子もいるけどビシッと決まってます。
決して倒してはいけない馬簾の山車
馬簾は神聖なものなので絶対に倒してはなりません。『魁!!男塾』の男塾至宝大塾旗「喝魂旗」のようなものでしょうか。でもこの日は強風で黄砂が吹き荒れていまして、なかなか前へ進めません。馬簾が傾くたびに周りから「うわーっ」と声が上がります。
【動画】ぐるぐる回るよヤンヨー神
3つの組が通り過ぎいよいよ笹若組。ヤンヨー神が輪になってぐるぐる回り始めました。見た感じ「体育会系ラグビー部・新入生歓迎コンパ in 白木屋」の図。よたよたとした千鳥足は酔っぱらった様子を表現しているのかと思いきや、みんな顔が真っ赤っ赤。ガチの酔っぱらいです。突然後ろ向きにばったり倒れるヤンヨー神。
起こされるまで立ち上がれない
彼らは起こされるまでじっと寝ていなければなりません。でも酔っぱらっているので道路に寝っ転がっているのが気持ちよさそう。周りは「まだ起こさんでええぞー」とはやし立ててます。ヤンヨー神は回ったりぶっ倒れたりを繰り返しつつ、天王社へ向かっていきました。
大の大人が堂々と酔っぱらって道路に寝っ転がれる祭り
参加している人はみんなとても楽しそう。警護の警官の見ている前で大人が酔っ払って道路に寝っ転がれる機会なんてめったにないですからね。若い人がたくさん参加しているのもとても好感が持てました。(2006年04月08日訪問)【麻理】
参考文献
地図&情報
牛久保八幡社(うしくぼはちまんしゃ)うなごうじ・うじ虫祭り
住所 :愛知県豊川市牛久保町 牛久保八幡社
電話 :0533-89-2206(豊川市観光協会)
開催時期:4月7日・8日に近い土・日曜日
駐車場:JR豊川駅の有料駐車場に駐車して電車で移動がおすすめです
関連URL:豊川市若葉祭(うなごうじ)