愛知県豊橋市の石巻山。日帰りハイキングとして手頃な低山ですが、ユニークな伝説があるだけでなく、人工ピラミッド説、心霊スポット、パワースポット──など不思議な噂が絶えません。
幽霊、UFO、伝説、人工ピラミッド?
標高358メートル。美しい円錐形をしているからか人口ピラミッド説が囁かれたり、UFOの目撃談や幽霊の噂も絶えません。石巻山は低山で登りやすく、パワースポットとしても人気なので、休日には登山客も多く訪れます。心霊やUFOはともかく、私自身は石巻山に残る伝説に興味を惹かれて足を運びました。
登る前に石巻神社へ参拝
最初に石巻神社にお参りをします。心霊現象を信じてないとは言っても、山の神に敬意を払ってお清めをしてから登山した方が良いでしょうしね。三河では4番目に格式の高い神社なんだそうですよ。
石巻の蛇穴
石巻神社から5分ほど登ったところにある「石巻の蛇穴」という洞窟です。石巻山は山全体が石灰岩質という珍しい山です。おそらくこの洞窟は水の流れが石灰岩を溶かしてできてた洞窟なのでしょう。
石巻山の大蛇伝説
蛇穴にはこんな伝説があります。
昔、この知の村人が雨乞いのために石巻山に登ったところ、大きな白蛇が現れて社を作るように告げました。村人がお告げの通りに祠を作ると、岩の間からこんこんと霊水が湧き出し、村の人々は日照りから救われましたとさ。
この穴はその大蛇が住んでいたと伝えられているものです。
袋入りの塩……こわい
直径は約60センチ、奥行きは13メートルほどの横穴。マグライトをくわえて照らしながら這いずるようにして進みましたが、途中狭くなっていて最深部まで は行けませんでした。と言うか、途中に袋に入った塩が置かれていて、なんだかゾッとして引き返してしまったのでした。なにこれこわい。
修験道の修行の場としての山
さらに頂上を目指して進みます。石巻山は山自体が信仰の対象となっており、山頂まで登ると新たな自分に生まれ変わることができると言われています。天狗が石を投げ合って勝負をしたと言われる岩も残っているので、昔は修験道の修行の場としても機能していたのでしょう。
鉄梯子を登れ!
それほど登るのが大変ではない──と書きましたが、頂上直前の岩登りは結構骨が折れます。鉄の鎖で作られた鉄梯子が岩の間に備え付けられており、これを引っ張るようにして自分の体を持ち上げねばなりません。かなり急な岩道となりますので、それなりの登山装備は必要です。
頂上は360度のパノラマ
頂上に着きました。天気も上々で渥美半島や三河湾が見渡せます。空気が澄んでいる日には富士山も見えるそうですよ。360度見渡せる絶景。良い汗をかいて清々しい気持ちでいっぱいになれます。一応キョロキョロUFOを探してみましたがそれらしきものは見つからず。
ダイダラボッチの足跡
頂上で30分ほどくつろいだ後に別のルートを通って下山。これは「ダイダラボッチの足跡」。その昔、ダイダラボッチが、石巻山と本宮山をまたいでおしっこをしたところ、豊川ができたと伝えられています。石巻山に片足の跡、本宮山にもう片足の跡が残っているのです。
侵食が進んでいるのではっきりせず
ただし石巻山は石灰岩質なので、雨の侵食によって岩がかなり削られており、いったいどれが足跡なんだか良くわかりませんでした。石巻山と本宮山をまたぐぐらいの足だから、かなりの大きさの足跡だと思うのだけど……。それにしても豊川がおしっこでできた川ってのは面白いですね。
美しい湧き水のコノシロ池
かなりふもとに近づきました。ここは「コノシロ池」。美しい湧き水がたたえられています。昔石巻山が出来た時に、取り残されてしまった魚(コノシロ)がこの池に棲んでいたとも、さきほど書いたように大きな白蛇が霊水を湧き出させた池だとも伝えられています。
無病息災、恋愛成就の霊水
この水は飲料水として飲むことができます。地元の方は無病息災の霊水として飲むそうですが、最近は恋愛成就のご利益があるパワースポットとして人気なんだとか。私も一口いただいてきました。
心霊スポット探訪は自己責任で
山からおりてくると、山荘の駐車場のところでウサギが跳ねていました。簡単に登れる割に頂上からの眺めがよく、数々の伝説が残るポイントがある面白い山でした。心霊スポットの肝試しに夜中に登る方もいらっしゃるようですが、どうぞくれぐれも自己責任で。(2015年09月11日訪問)【麻理】
参考文献
地図&情報
石巻山(石巻神社)
住所 :愛知県豊橋市石巻町字金割1
電話 :0532-54-1484(豊橋観光コンベンション協会)
時間 :参拝自由
入場料:無料
駐車場:無料