岐阜県には『不思議の国のアリス』のような体験ができる、養老天命反転地という公園があるんですよ。人間の平衡感や遠近感を揺さぶる設計。奇妙な感覚に脳がわゆんわゆんしてきます。
パノラマ島みたいな公園
養老天命反転地(ようろうてんめいはんてんち)はアーティスト・荒川修作氏と詩人・マドリン・ギンズ氏の構想を実現した実験的アートプロジェクト。園内は水平・垂直を極力排除しているので、脳が驚く不思議な体験ができるのです。おお。なんか『不思議の国のアリス』か江戸川乱歩の『パノラマ島奇談』みたい。
紅葉シーズンは避けた方が無難
このごろごろした岩山は昆虫山脈と呼ばれています。養老天命反転地は近くに養老の滝、こどもの国、養老ランド(遊園地)など人気観光地が密集している上に、道が山道で細いため大型観光バスと自家用車でごった返していました。さらに紅葉シーズンまっただ中だからおじいちゃん、おばあちゃん満載。
広い敷地に迷路や不思議な建物が点在
でもほとんどの人は紅葉目当てなので、こちらの園内は空いてました。緑が多くて空気が美味しいですね。広い敷地に迷路のようなオブジェや不思議な建物が点在しています。
床にも天井にも迷路が
養老天命反転地記念館に入ると、床一面が迷路。天井に目をやるとこちらにも迷路。天井は地面の反転になっていまして、まるで鏡に映っているような変な気分になります。
細い小道をすれ違って
円形の公園の縁には細い小道がぐるりと続いています。何があるのだろうと進んでいくのですが、これが非常に狭い。反対側から人がやってくると「すみません」「どうも」と言いながらお互いバンザイの姿勢ですれ違います。体型のふくよかな方は無理です。
壁に埋め込まれた家具
あちこちにある建物の壁には、キッチンやソファ、テーブル、トイレなどが埋め込まれています。フィラデルフィア・エクスペリメントみたい。これは生活しにくいですねえ。4次元世界に暮らす人なら大丈夫かな。
女性はおしゃれ服厳禁
ここへ行こうとしている方へ重要注意事項。特に女性。デートっぽいオシャレな洋服とヒールの靴は厳禁。よごれてもいいジーンズとスニーカーが最適です。
どこも地面が斜めになっている
というのも園内は、中心部が最も深いすり鉢状になっていて、どこも地面が斜めになっているんですよ。その高低差は最高25メートル。場所によってはすごい急斜面です。両手両足で這うように進まねばならないところもあるんですよ。
ヘルメットとスニーカーの貸し出しも
岩にガシーッと手をかけて「ファイトー、いっぱぁーつ!」と叫びたくなるような危険ゾーンもあります。子供は大喜びで走り回っていますが、ぜーぜー息を切らせてへたりこんでいる親御さんも。
公園って言うよりもむしろ、フィールドアスレチック。受付でヘルメットとスニーカーの貸し出ししているのも頷けます。自分の感覚がぐらぐら揺れる不思議な空間でした。(2005年11月20日訪問)【麻理】
参考文献
地図&情報
養老天命反転地(ようろうてんめいはんてんち)
住所 :岐阜県養老郡養老町高林1298-2
電話 :0584-32-0501
入園料:大人750円
休園日:月曜日と年末年始
時間 :09:00~17:00(入場は16:30まで)
駐車場:1日300円
関連URL:養老天命反転地 | 施設案内・マップ | 養老公園