岐阜県の日本最古の石博物館へ行ってみました。国道41号線を走っているといやが上にも目に入ってくるUFO型建物。石の歴史、科学を学べます。ゆるキャラのレッキー君もお出迎え。
20億年前の日本最古の石が発見された
なぜここに石の博物館があるのかというと、1970年に岐阜県加茂郡七宗町で日本最古の石が発見されたからなんですね。館内中央には地球内部の様子を表した地球儀。ぐるぐる回っています。
レッキー君と地球の歴史を学ぼう
大映像室で宇宙の誕生から現在までの地球の歴史を15分のムービーで学びます。主人公はイメージキャラクタのレッキー君。小学生3人組がレッキー君と共にタイムスリップして昔の地球を見に行くストーリーです。
私一人の上映会で恐縮
大型スクリーンで豪華なのに、お客が私一人で恐縮しきり。意外に良くできたムービーで、地学が苦手な私にもすんなり頭に入る内容でした。続いて、係員のおばちゃまが案内してくれたエレベータがこれまたすごい。
無駄に面白いエレベータ
現代から20億年前の世界にタイムスリップするというコンセプトで作られているんです。背面のスクリーンにレッキー君が映って、エレベータが下がっていくのと同時に光がチカチカ。表示板の数字がざーっとさかのぼっていきます。公営の博物館では破格の豪華さです。
映像室とエレベータ以外は普通
ワクワクしながら外に出ると、そこはごくフツーの博物館風景が広がっていてちょっぴり拍子抜け。展示物はごつごつした石ばかりという地味なもの。まあそりゃそうです。真面目な博物館ですから。
名古屋大学の足立教授によって発見
これが日本最古の石。20億年前、先カンブリア時代の原生代紀の上麻生礫岩(かみあそうれきがん)の中に含まれている20億年前の片麻岩礫(へんまがんれき)です。1970年に名古屋大学の足立守教授(当時大学院生)によって発見されました。
原始的な生命が生まれたか生まれないかってぐらいのはるか昔。化石が少ない時代なので石に残された情報が当時の地球を知る唯一の手がかりなんだそうです。
肝心の日本最古の石はちっちゃかった
このでっかい石が20億年前のものなのかーと思っていたのですが、20億年前の石はこの岩の赤い矢印がついている部分だけみたい。素人の私にはどっからどこまでが20億年前のものなのかさっぱり区別がつかず。学者さんはすごいなあ。
世界最古の石も展示
世界最古の石も展示されています。カナダ北部で発見された39億6千年前の片麻岩や35億年前の枕状溶岩・ストロマライトも。この辺になってくるともうスケールがでかすぎて、数億年の差は大した違いもないように感じてきます。
ゆるキャラ・レッキー君と記念撮影も
入り口正面に置かれたレッキー君の着ぐるみ。彼女(奥さん?)もいるのです。レッキーという名前は足立守教授が命名。石ころのことを礫(れき)というからレッキー君なのね。私が熱心に写真を撮っているので「どうぞかぶってみてください」と係の方に勧められたんですが、いや……遠慮しておきます。(2007年08月26日訪問)【麻理】
追記1
2019年に七宗町のゆるキャラ、レッキー君・レッキーちゃんがご結婚され、七宗町の神渕神社で結婚式を行いました。おめでとうございます!
追記2
日本最古の石博物館は2020年にリニューアルされ、オープンセレモニーが開かれました。
【岐阜】25億年前の石、七宗で展示へ 3月7日に博物館リニューアル
島根県津和野町で昨年見つかった25億年前の「日本最古の石」の一部が七宗町に寄贈され、3月7日にリニューアルオープンする日本最古の石博物館(七宗町中麻生)で常設展示されることが決まった。20億5000万年前の岩石を展示している同館では新発見以降、「日本最古」の名称をどうするのかにわかに取り沙汰されたが、“看板”を下ろすことなく運営を続けられることになった。
(中略)
七宗町は27日、3月7日にリニューアルオープンする「日本最古の石博物館」の概要を発表した。新旧の「最古の石」の展示に加え、子ども向けの体験型コーナーを設けるなど幅広い世代が楽しめる内容に一新する。
体験コーナーでは、さまざまな石に触れながら、ゲーム感覚でそれぞれの特徴を学べる。これまで専門的だった展示物の説明書きは、子どもにも分かりやすく書き換え、最新の知見も反映させる。
アトラクションの要素があり、子どもに人気の「タイムスリップエレベーター」も外装を一新。地球環境をテーマにした写真の掲示も始める。事業費は2000万円。
開館時間(午前9時~午後4時半)と入館料(小中学生100円、高校生と70歳以上200円、一般300円)はリニューアル前と同じ。オープン初日の7日は入館無料。
(渡辺大地)
【岐阜】25億年前の石、七宗で展示へ 3月7日に博物館リニューアル | 中日旅行ナビ ぶらっ人(※リンク切れ)
追記3
2020年8月、レッキー君・レッキーちゃんご夫妻になんと五つ子が生まれました! おめでとうございます!
七宗町「レッキー夫妻」の五つ子、名前決まる
七宗町の石のマスコットキャラクター「レッキー君」と「レッキーちゃん」夫妻の間に五つ子が生まれ、二日、公募していた名前が発表された。 (渡辺大地)
黄色いマントを着けた子が「陽(ひなと)」、赤が「稚児(ちこ)」、青が「蒼(そう)」、黒が「雲龍(うんりゅう)」、緑が「七葉(ななは)」。それぞれ町の特色であるホタル、祭り、清流、龍の伝説、自然をイメージして名前が付けられた。
名付け親は、美濃加茂市古井小学校六年の亀山真咲さん。町内外の二百七十六人から寄せられた千三百六十六件の候補の中から、町幹部が審査して選んだ。五つ子の名前の頭文字をつなげると、七宗の「七」にちなんだ「ひちそうセブン」と読めるようになっている。
町は誕生に合わせ、五つ子のぬいぐるみも作った。今後、イベントなどさまざまな機会で活用し、七宗の魅力を発信していく。五つ子のイラストをあしらったオリジナルの出生届も作成し、五日から受け付けを始める
参考文献
地図&情報
日本最古の石博物館(にほんさいこのいしはくぶつかん)
住所 :岐阜県加茂郡七宗町中麻生1160
電話 :0574-48-2600
時間 :09:00~16:30(入館は16:00まで)
休館日:木曜日(祝日・振替休日の場合は開館)、国民の祝日・振替休日の翌日年末年始
入館料:大人300円
駐車場:無料