岐阜県瑞浪市の地球回廊は地中にある全長270メートルのトンネルに設けられている一風変わった博物館。カラフルなタイムトンネルを抜けて、46億年の地球史を体験してみましょう。
デスモくんと46億年の旅へ
瑞浪市には化石博物館、陶磁器資料館、市之瀬廣太記念美術館、地球回廊という4つの博物館が密集したエリアがあります。4館共通700円というリーズナブルな料金で見学ができる文化スポットです。その中の地球回廊を見学しました。
戦争中に掘られた地下壕を利用
このトンネルは天然のものではなくて、戦争中に掘られた地下壕を利用したものです。夏でも15度ほどの温度で涼しいですよ。「かけがいのない地球を今一度考えてみよう」がキャッチフレーズ。デスモスチルスを元にしたイメージキャラクタのデスモくんと共に46億年の旅へ出発進行!

タイムスリップのようなトンネル
最初は光のトンネル。サイケデリックなライトの中を進みます。目がチカチカするような派手な光はやや珍風味。タイムスリップを表現してるのかな。
青い幻想的な光のエリア
そして「地球史を飾った生物たち」のエリアへ。青い幻想的な光が満ちています。水のイメージ。深海を漂っているような神秘的な雰囲気。9つの太陽系の惑星の中、唯一地球だけに存在する水。水のおかげで生命が生まれ、栄えました。
トンネルの壁に巨大な恐竜の骨が
ここは「生命陸上への進出」のエリア。トンネルの壁に巨大な恐竜の骨が埋まっているかのような展示です。私たちはその恐竜の足の間を進みます。4億年前のデボン紀、ヒレと肺を発達させた魚類は陸上生活に適応していきました。
実物大のトリケラトプスが首を振る
「恐竜の楽園・息づく恐竜トリケラトプス」のエリア。壁にあいた穴を覗くと、実物大のトリケラトプスが首を振っていますよ。1億年前、白亜紀の後半。ティラノサウルスなど大型恐竜が繁栄した時代です。しかし徐々に気温は下がり始め、彼らの栄華も斜陽化しはじめます。
乾燥した大地に適応したほ乳類
これは「デスモスチルスのジオラマ」。デスモスチルスはその昔北太平洋沿岸に生息していた哺乳類。地球の寒冷化が進み恐竜がいなくなった後、乾燥した大地に適応した哺乳類が各地で増えていきました。3000万年前には人類の祖先となる類人猿も現れたようです。
現在の日本の繁栄
「日本列島ひとまたぎ」エリア。700万年前に類人猿の祖先から人類が分かれ、道具や火を使いはじめました。そして1万年前に農耕技術を身につけた人類は、文明を持ち文化を発達させていきました。ここでは現在の日本の繁栄の様子を見ることができます。
トンネル構造の珍しい博物館
270メートルのトンネルを歩きつつ眺める、30分間の46億年の地球史。トンネルという構造そのものがタイムスリップ体験をしているようで素晴らしい効果をあげていますね。展示物は少ないですがかなり頑張っている博物館です。特に夏はひんやりしてお薦めですよ。(2007年08月26日訪問)【麻理】
追記:2021年03月08日
長年親しまれてきた「地球回廊」ですが、施設の老朽化などの理由により令和3年(2021年)3月31日をもって閉鎖が決定しました。化石博物館、陶磁資料館、市之瀬廣太記念美術館は引き続きご利用いただけますが、地球回廊は4月から見学はできなくなります。楽しい思い出をありがとうございました。
参考文献
地図&情報
地球回廊(ちきゅうかいろう)
閉鎖している施設です。ご注意ください。施設の老朽化等の理由により令和3年(2021年)3月31日をもって閉館しました。住所 :
岐阜県瑞浪市明世町戸狩67-1
電話 :0572-68-9950
時間 :09:00~17:00
休館日:月曜日、祝日の翌日、年末年始
入館料:大人200円
駐車場:無料(20台)