匠の技! 刀の歴史から現代の刃物製品まで「関鍛冶伝承館」【岐阜】

関鍛冶伝承館
刃物の町・岐阜県関を知るには昔ながらの匠の技を学ばねばなりません。そんなわけでやってきたのが関鍛冶伝承館です。日本刀作りの歴史から現代の刃物製品までを見学しましょう。

鎌倉時代より刀の町に

関鍛冶伝承館
700年ほど前の鎌倉時代末期に九州の刀匠・元重(もとしげ)が関に移り住んだのが、刃物の町・関の始まり。良質な焼刃土や刀剣作りに欠かせない松炭が得られる、良質の水、長良川と津保川の船の便があるなどの立地条件から刀剣鍛冶が根付き、戦乱の世の室町中期ごろ隆盛を極めました。

折れず曲がらずよく切れる

関鍛冶伝承館
「折れず曲がらずよく切れる」と関の刀剣は多くの武将に愛されました。しかし江戸時代になると、武器としての刀剣から包丁や鎌などの実用品が多く作られるようになりました。明治9年(1876年)に廃刀令が発布され、職人たちは実用的な家庭用刃物の生産に転向し、今に至るというわけです。

刃物祭り、刃物の日などのイベント

関鍛冶伝承館
関市では10月体育の日の前の土日に刃物まつりが行われます。本町通りの商店街に60以上の刃物関係の業者がテントを並べて販売を行います。また11月08日は「良い刃」の語呂合わせの刃物の日になっていて刃物供養祭が開催されます。

真剣な表情の匠マネキン

関鍛冶伝承館
関鍛冶伝承館の1階フロアには刀匠の刀作りを再現したマネキンが中央に置かれ、刀作りがどのように行われるのか、材料から制作方法までが丁寧に解説されています。現代の匠もこんな格好で刀作りをするんですね。

本物の重厚な輝き

関鍛冶伝承館
目を見張るのが刀剣の展示室。テレビの時代劇ぐらいでしか見ることのない日本刀ですが、本物の前に立つとまさに身が切られるような緊張を味わいます。キラキラというより、ギラギラとした重い輝きがあって、私のような素人でもゾクリとするんです。

日本刀の居合いを動画で

これは日本刀の居合いをスローモーションにしたYoutubeの動画。いくら切れる日本刀でも達人でなければトマトやペットボトルはぶっ飛んでいくか、つぶれてしまうだけでしょうね。素晴らしい道具に素晴らしい使い手が組み合わさった時、神のような技が見られるんですね。

刀作りの実演公開も

関鍛冶伝承館
刀作りには、研師(とぎし)、白銀師(しろがねし)、柄巻師(つかまきし)鞘師(さやし)などの匠の技が必要不可欠。実演公開日にはこれら職人さんの刀作りも見られるようなので事前に問い合わせてから行くと良いでしょう。

2階は現代の刃物製品の展示

関鍛冶伝承館
2階は現代の刃物製品やナイフコレクションが展示されてします。包丁、ハサミ、カミソリ、ペーパーナイフ……時代が変わっても関の職人の技術力が今も生きていることに感動します。

いくらなんでもこれは……

関鍛冶伝承館
ただドイツマイスター製・百徳ナイフはあまりにすごすぎて珍。こんなにあったらどれを使って良いやら訳が分からないし、柄が分厚くなりすぎて握りにくいよー。ま、あくまで美術品、展示用なんでしょうね。(2007年09月17日訪問)【麻理】

参考文献

地図&情報

関鍛冶伝承館(せきかじでんしょうかん)

住所 :岐阜県関市南春日町9-1
電話 :0575-23-3825
時間 :09:00~16:30
休館日:火曜・祝日の翌日
入館料:大人300円
駐車場:無料

タイトルとURLをコピーしました