岐阜県の氷砂糖資料館は砂糖のことなら何でも学べる博物館。100年以上氷砂糖を作り続けている老舗・中日本氷糖株式会社が運営。砂糖の作り方が見られる工場見学もできますよ。
氷砂糖一筋・中日本氷糖株式会社
中日本氷糖株式会社は明治28年の創業から氷砂糖一筋でやってきた老舗。氷砂糖のシェアは70%で日本一。馬をモチーフにした「馬印」で知られています。その創業100周年を記念して作られたのが氷砂糖資料館。館内には馬印にちなんで集められた馬の置物がたくさん!
砂糖に関することならなんでもの友永館長
資料館の友永館長にお話をうかがいました。友永さんは砂糖に関することならなんでもござれの博識な方なんですよ。砂糖にかける情熱がガンガン伝わってきて、砂糖好き同志としてすっかり意気投合。2時間もお邪魔してしまいました。
日本人の年間消費量は1人あたり20キロ
砂糖は主に甜菜(てんさい)かサトウキビから作られます。甜菜の方がやや糖度が高いそうです。日本人の年間消費量は1人あたり20キロ。多そうに見えますが、実は157カ国中108番目なんです。上位のフィジー、スイス、キューバなんか60キロ以上も消費してます。
砂糖は体に悪い?
砂糖は糖尿病を引き起こす、砂糖は肥満につながる、砂糖は漂白されている、子供がキレる原因、砂糖は骨を溶かす……などなど砂糖は体に悪いと思われていますが、実はこれらはぜーんぶ俗説で正確なエビデンスはないそうです。
砂糖に関する俗説を信じちゃだめ!
詳細は下記の『「砂糖は太る」の誤解』を参照して頂きたいのですが、糖尿病、肥満、骨の分解、子供がキレる原因は砂糖とは関係ありません。それらの病気・問題を引き起こすのは他の原因であるのに砂糖がやり玉に挙げられています。友永館長も砂糖が悪者扱いになっている現状に憤りを覚えているそうです。
砂糖は漂白されていない
例えば砂糖の白さ。よく黒砂糖は漂白されていないから体に良いなんて言われますが嘘っぱち。砂糖は本来無色透明で、結晶化した砂糖の粒は乱反射をおこして白く見えるだけのこと。白くない砂糖は別の成分が混入していたり、カラメルなどで色をつけているからなのです。
オートメーション化したハイテク企業
明治・大正・昭和・平成と少しずつ変わってきましたが、氷砂糖作りの基本は数週間かけてじっくり結晶化させること。最近リニューアルした工場ではほとんど無人の室内をロボットがせっせと動き回っています。中日本氷糖は国内唯一完全オートメーションで氷砂糖作りをしているハイテク企業でなんですよ。
超高級品から日常の食品へ
2400年前にインドで砂糖が作られ、日本に仏教と共に渡ってきた砂糖。最初は薬として使われた超高級品でした。砂糖の歴史を伺いながら、私は安価に砂糖が手に入る現代の幸せをつくづくかみしめたのでした。
館長手作りの果実酒は……
友永館長は砂糖の素晴らしさを広めるため全国で講演なさっています。これからは後ろめたさを感じずにジャンジャン砂糖を食べるぞー! でも館長が手作りしたという氷砂糖を使った果実酒の展示。シイタケ酒、ニンニク酒、マタタビ酒ってのはちょっとやりすぎかも?(2007年11月03日訪問)【麻理】
参考文献
地図&情報
氷砂糖資料館(こおりざとうしりょうかん)
住所 :岐阜県海津市南濃町津屋2812-100
電話 :052-661-0113
時間 :09:30~16:00(要予約) ※12:00~13:00は休憩時間
入場料:大人:300円
休業日:土日祝日・年末年始
駐車場:無料
関連URL:工場見学 | 中日本氷糖