岐阜県美濃加茂市の古井の天狗山。実はこの天狗、高さ12メートルもあるんです。もちろん天狗像としては日本一の大きさ。ちなみに古井は「こび」と読みます。壁一面の天狗面は圧巻!
荒薙教(あらなぎきょう)の宗教施設
駐車場から見るとこんな感じ。天狗の団扇(うちわ)片手にどっかりと腰を下ろした貫禄のあるお姿。ここはどういった場所なのかと言いますと、荒薙教(あらなぎきょう)という宗教施設なのであります。
大神の使いとしての天狗
今から100年ほど前、教祖である戸田よきという人が修行の末に霊験を体得し開いたのが荒薙教。主斎神は荒薙大神という神様なのですが、神出鬼没、変幻自在である天狗を大神の使いとしているためにこんな天狗像があるというわけです。
境内のあちこちに天狗像
大天狗像だけでなく、境内にはたくさんの天狗像が奉られています。それぞれ作風が違っていて個性的。天狗の特徴である山伏のような格好、背中の羽、高い鼻が見られます。鳥居の天狗像は阿吽(あうん)になっています。羽団扇のかわりに剣を持っていますね。
神? 妖怪?
天狗は「人をさらったり悪さをしたりする妖怪」という側面と「山の動物たちを守り人間を手助けする神」という二つの側面があって面白いですね。個人的には神隠しや天狗のつぶてを連想するので怖いイメージかな。天狗の国へ行った天狗小僧・寅吉少年のお話もありますよね。
お願い事のかなうことで有名
パンフレットには「お願い事のかなうことで有名な こびの天狗山」と書かれていますから、がっつり願い事をしようと天狗山の中心である神殿へ。袋型のおさい銭箱にお金を投げ入れて、神社の鐘を見上げると……。
一面天狗!
うわー! 一面天狗、天狗、天狗! 壁にびっちり顔が並んでいてかなり怖い。これだけ天狗様が勢揃いしてたら、人海戦術(っていうか天狗海戦術か)で願いも叶いそうですよ。
神殿の中はさらに……
しかしこのくらいで驚いてちゃいけない。神殿の中に足を踏み入れます。薄暗くてよく見えないかもしれませんが、目をこらして壁を見てみましょう。
天狗の視線が痛いほど
ひぃぃ。壁にもびっしり天狗の面。ちょ、多すぎ! ところどころ大きなお面が飾ってありますが、整然と並んだ天狗面にこれだけ見つめられていると落ち着かないよ!
落ち着かないので早々に退散
さらに中央には大きな木彫りの天狗像が。数千人の家来を従えた、天狗の王様のような風格を感じます。衆人監視(っていうか衆天狗監視。くどい)の中、もぞもぞしながらお願い事をして、早々に退散いたしましたとさ。(2007年11月23日訪問)【麻理】
参考文献
地図&情報
古井の天狗山(こびのでんぐやま)
住所 :岐阜県美濃加茂市森山町3-5-57
電話 :0574-26-1331
時間 :09:00~17:00(ご祈祷は16:00まで)
休業日:年中無休
拝観料:無料
駐車場:無料
関連URL:美濃加茂市観光協会