虫に関するトリビア満載のレトロ博物館「名和昆虫博物館」【岐阜】

名和昆虫博物館
「春の女神」とも呼ばれるギフチョウ。ギフチョウを再発見・命名した名和靖博士は明治から大正にかけて昆虫研究に力を尽くした学者です。名和博士の岐阜市名和昆虫博物館を訪れました。

ギフチョウは名和靖(なわやすし 1857~1926)博士の発見以前に既に知られていたとも言われ、現在では発見者ではないとされています。この記事ではギフチョウを再発見し命名した人物としてとらえています。

女子高生だった頃の想い出

名和昆虫博物館
名和昆虫博物館(なわこんちゅうはくぶつかん)の外観は2階建ての明治洋風建築。クラシカルで趣がありますね。有形文化財にも指定されている美しい建物です。でもそのオシャレな外観に惹かれて、虫嫌いな人が入っちゃった日にゃあ、大変なことになりますのでご用心。

女子高生だった頃の想い出

名和昆虫博物館
高校時代に生物部だった私。組織培養班(クローン技術班)であったものの、部活合宿で蝶の採取に岐阜県に来たことがあります。もちろん狙いは幻のギフチョウ(※)。でもやすやすと女子高生に捕まるギフチョウではありません。代わりに川でプラナリアを採取してスゴスゴと帰ったのも良い想い出。

あくまでも私が女子高生だった頃の話。現在は山のあちこちに「ギフチョウ捕獲禁止」の標識があり生態の保護が呼びかけられています。平成16年から施行された飛騨市をはじめとする各地のギフチョウ保護条例に反しますので、勝手に捕獲しないようにしましょう。

大正時代に開館した由緒ある博物館

名和昆虫博物館
名和昆虫博物館は大正時代の1919年に開設されました。個人が設立した博物館として5代の長きにわたって健在している由緒ある博物館です。現存する昆虫博物館としては日本最古になります。コレクションには現在では入手できない激レアな昆虫も含まれています。

20センチ級の虫、ゴキブリ……

名和昆虫博物館
「トロピカル・アジアの奇妙な虫たち!」というコーナには10センチ、20センチ級の巨大な虫、身近な昆虫のコーナにはゴキブリ、巨大なシロアリの塔……などなど虫が苦手な方の背筋を凍らせる標本がわんさか。虫嫌いな方ごめんなさい。

チビッコには人気のスポット

名和昆虫博物館
でもムシキングの影響もあってか、昆虫大好きなチビッコの人気スポットになっています。私が訪れたときにも幼稚園児と思われる男の子が「すげー、ヘラクレスオオカブト 、すげー!」と目を輝かせていました。

クイズ形式の2階部分がお薦め

名和昆虫博物館
ギフチョウの展示もある1階も興味深いのですが、特に2階がお薦めです。クイズ形式で昆虫について学べる展示になっているんです。展示を見ながらクイズの答えを考えているうちに、昆虫豆知識が身につきますよ。

小学校の理科の復習です

名和昆虫博物館
「世界の珍虫・奇虫 昆虫でないのは?」コーナー。昆虫の定義、小学校で習ったのを覚えていますか? 昆虫の足は何本足? そしてその足がついているのはどの部分?(答え:昆虫は6本足で、足は頭部・胸部・腹部のうち、胸部についている)

毒の無いチョウはどれ?

名和昆虫博物館
「毒チョウに紛れ込んで 毒の無いチョウは?」コーナー。毒の有るチョウと毒の無いチョウの見本を元に模様で見分けるんですが、わずかな違いなのでかなり難しいです。ウォーリーを探せだね、こりゃ。

空飛ぶ青い宝石・モルフォチョウ

名和昆虫博物館
「モルフォチョウの金属光沢 ピカピカ光るのはナゼ?」。チョウで作られたモザイク画のようで実に綺麗。まさに空飛ぶ宝石。この青色は鱗粉が青い訳ではありません。光の屈折で青く見えるだけなんですよ。

ちなみにモルフォチョウの標本を作るときには腹部を切除することが多いのです。体内の油が染みて青い光沢が失われてしまうからです。

お土産コーナでは標本を販売

名和昆虫博物館
クイズに答えて応募すると、抽選で賞品(昆虫の標本)が当たるというので挑戦しました。元生物部員をなめんなよ。ラクショーだ。お土産コーナには昆虫の標本が売られていました。虫は好きだけど自分で捕獲・標本作製するのは苦手という方はどうぞ。(2007年12月02日訪問)【麻理】

参考文献

地図&情報

名和昆虫博物館(なわこんちゅうはくぶつかん)

住所 :岐阜県岐阜市大宮町2-18(岐阜公園内)
電話 :058-263-0038
時間 :10:00~17:00
休館日:水曜日・木曜日
※祝日の場合は開館
※夏休み期間は無休
※12・1・2月は、火・水・木曜日休館
入館料:大人600円
駐車場:岐阜公園に有料駐車場あり(有料)
関連URL:現存する日本最古の昆虫専門博物館『名和昆虫博物館』公式ホームページ

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