ミロのヴィーナスにサモトラケのニケ。ここはパリのルーブル美術館? いいえ、ここは三重県。ルーブル彫刻美術館の展示品は全部レプリカという一風変わったミュージアムなんですよ。
パリ・ルーブル美術館の公式姉妹美術館
ここは本家本元パリ・ルーブル美術館の公式姉妹美術館です。門外不出の彫刻品の実物から直接型を取り、実物と寸分違わぬレプリカを作りあげているんです。ルーブルの技術陣が総力を結集した、世界美術史上超一級の彫刻作品のレプリカが、3500点!
ルーブル美術館館長・会長のお墨付き
ルーブル美術館館長のユベール・ランデ氏、会長のピエール・コニャム氏のお墨付き。パンフによると、ランデ、コニャム両氏は「日本の文化の絆を深め」「多くの日本の人々の心を魅了」なんて言ってますが、ここが大都会・東京でなく三重県にあることをご存知なのでしょうか。
美術の教科書で見たような有名作品ばかり
たとえレプリカだとしても館内はピカピカで豪華絢爛。あちこちに置かれた彫刻は、どれも美術の教科書で見たような有名作品ばかりですよ。ルーブルじゃないのもいくつか混ざってるけど。ツタンカーメンの黄金のマスクはカイロのエジプト博物館に展示されてますもんね。
撮影OKなのもありがたい
しかもここは撮影OKなんです。よっ、太っ腹! 普通の美術館ではありえません。名作の隣でバシャバシャ記念撮影できるなんて嬉しいですね。「この間、ルーブルに行ってきたんだ」なーんて自慢したりして。
のんびりゆったり鑑賞
私はホンモノのルーブル美術館に行ったことはないのですが、きっとパリ・ルーブルは観光客でごったがえしているでしょうね。でもここはのんびりゆったり鑑賞できます。レプリカと言えど実物大なのでなかなか迫力がありますよ。
美術史の復習にいかが?
世界各国から集められた古代から近代までのルーブルの至宝。目録を見ながら鑑賞すると、ざっと美術史を復習できて良いですね。有名作品ばかりなので面白いです。学生さんのお勉強にいかがでしょ?
ぎっちぎちの美術品に胸焼けぎみ
ま、でもちょっと詰め込みすぎかなという気もいたします。いくら有名作品と言っても、これだけたくさんあるとだんだん慣れてきてしまってありがたみが薄れてきます。もうちょっと作品の数をしぼるか、建物を大きくした方が良かったかも。
なぜかルーブルと関係ない仏像も
こちらは高さ11mに及ぶ十一面千手観音。美術館の中央にドカーンとあるんですが、なぜかルーブル美術館とは全く関係ない、阿修羅像や弥勒菩薩像など仏像のレプリカもたくさんあるんですよ。経営が大観音寺だからかな。
本家の方々はどう思ったのだろう
まるでマンガの『ギャラリーフェイク』のようなルーブル彫刻美術館。ルーブル美術館のランデ、コニャム両氏が開館式に出席した時びっくりしなかったかしら。でも彫像の出来はすばらしく良いので「なかなか日本もやるわい」と思ったのかもしれませんね。(2006年11月23日訪問)【麻理】
参考文献
地図&情報
ルーブル彫刻美術館(るーぶるちょうこくびじゅつかん)
住所 :三重県津市白山町佐田東谷1957
電話 :059-262-1111
時間 :09:30~17:00(入館16:30まで)
入館料:大人1500円(前売りは1000円 サイトに割引券あり)
休館日:年中無休
駐車場:無料(500台)
関連URL:ルーブル彫刻美術館