「伊賀流忍者の里はつぶして温泉にしちゃったよ」おみやげ物屋のおばちゃんの言葉に目の前が暗くなりました。ああなんてこった。唯一残っていた顔出し看板だけが寂しく残っていました。
どこにも見あたらない伊賀流忍者の里
日本オオサンショウウオセンターと赤目四十八滝を見た後、すぐ近くにあるという伊賀流忍者の里を探してみました。伊賀上野の伊賀流忍者博物館と忍者発祥の地、三重県赤目の伊賀流忍者の里で忍者に関する知識を深めようと思ったわけです。……いや、単に珍スポット見物したかっただけか。
珍スポットより温泉
しかし全く見あたりません。変だなあと思いつつ近くのおみやげ物屋さんに入りました。そこでお店のおばちゃんに聞いてみると、冒頭の答えが返ってきたわけです。
お話をうかがうと確かに以前は忍者・百地三太夫のコレクションを展示していた博物館があったそうです。しかしあまり観光客がいないのでやめてしまい、温泉を掘ったのだとか。確かに珍スポットよりは温泉の方が儲かるもんなあ。
閉館された性態博物館
でも実は伊賀流忍者の里だけでなく、ここ10年ほどで失われた珍スポットはたくさんあるのです。例えば愛知県小牧市にあった性態博物館。誤字じゃないですよ。「生態」でなく「性態」。ありとあらゆる動物のオチンチンのホルマリン漬け、標本、写真がぎっしり展示されていました。
しかし後継者がいなかったなどの理由から閉館。その後群馬に移転したものの、再び閉館してしまったのです。詳しくは、「ニッポンの歩き方」様の武弘自然性態博物館に詳細が載っています。
さらば「鳥羽国際秘宝館・SF未来館」
そして鳥羽国際秘宝館・SF未来館。ここは数ある秘宝館の中でも最も展示物が充実していた珍スポット。私も学生時代日本一周を2回したときに、2回とも訪れました。なまめかしいマネキン、ピカピカ光る機械たち。未来の日本をエロチックに表現したお色気満載の秘宝館でした。しかしここも2000年に閉鎖。
消えゆく珍スポット
今や、珍スポットは絶滅の危機にあります。仕方がないと言えば仕方がない。地理的なハンディや宣伝不足で観光客がいない、後継者がいない、管理費用がまかなえないなど様々な要因で、どんどんなくなっているのです。
しかし本当は珍スポットを面白がる人は多いはずです。2001年の横浜トリエンナーレではこのSF未来館を再現した展示が大人気となりました。土日には数時間待ちと言われるぐらいの盛況ぶり。もちろん私も見に行きましたよ。懐かしかったなあ。
珍スポットよ永遠に
このブログを立ち上げようと思ったのも「こんな面白いものが知られないままになくなるのは惜しい!」と思ったからなんです。ブログを見た方が「面白そうだから行ってみるか」と訪れてくれたらと願いつつ、記事を書いています。(2006年01月09日訪問)【麻理】
参考文献
地図&情報
伊賀流忍者の里(いがりゅうにんじゃのさと)
現在閉鎖している施設です。ご注意ください。大変残念です。楽しい想い出をありがとうございました。住所 :
三重県名張市赤目町長坂812番地(閉鎖)