泣く子も黙るエンマ様、賽の河原に、三途の川。「死後の世界なんてあるわけないじゃん」と平気な顔の現代っ子でもきっと悔い改めるに違いない施設。それは静岡県の伊豆極楽苑です。
珍スポ界の超メジャー観光地
ドライブ中の観光客は、赤鬼と異様な建物に「なんだありゃ?」と一度はスピードをゆるめるものの通り過ぎてしまう様子。でもそれはもったいないですよ。パンフレットの「他では絶対見られない面白い来世観光」の文字は伊達じゃない。ここはマスコミにも何度も取材されている超メジャーな珍スポットなんですよ。
死後の世界を説く名調子
畳敷きの広い部屋に入り、死後の世界についての講義を聴きます。紫色の作務衣を着た係員の女性の口上の上手いこと、上手いこと。つるつるとよどみなく流れる名調子。この係員の女性、実は極楽苑の奥様なのです。チケットを売っていたのは旦那様、入り口を案内してくれたイケメン男子は息子さん。家族経営なんですね。
渡ったが最後戻れない
レクチャーが終わると、2階へと階段を上ります。薄暗い室内に浮かび上がる、人形のジオラマ。ここは三途の川。
ウソをつくと舌を抜かれる
エンマ様による地獄行きか極楽行きかの裁判。一生の全てを記したエンマ帳と、全ての行動を映す水晶の鏡の前ではウソは厳禁。私自身が裁かれているようで、エンマ様の目をまっすぐ見られません。
餓鬼界だけは死んでも行きたくない
餓鬼界(がきかい)は強欲な人間が堕ちる地獄です。お腹だけポッコリ出た人形が不気味そのもの。みんな四つんばいになって何かすすってます。うぎゃ!「たべものは糞と尿」って書いてあるよ。
永久に苦しみ続ける地獄
大焦熱地獄では2メートル近い鬼たちが、30センチほどの人間をぐつぐつ釜で煮たり、棒で突き殺したりしています。やっと死ねたと思ってもすぐに生き返ってしまい「苦しむ→死ぬ→苦しむ→死ぬ」の繰り返し。こんなネバーエンディングストーリーはいやだ。
これらのジオラマの人形は300体以上もあります。全て極楽苑のご家族による手作りなんですよ。既製品にはない、手作りならではの生々しさと異様な迫力があります。
極楽浄土の世界にほっとする
阿鼻叫喚の血まみれ地獄を抜けると、地平線まで金色の五重塔が地面を埋め尽くした極楽浄土です。今までが悲惨すぎるので、ほっと平和な気持ちになります。ちょっとだけこれからの行いを正そうと思いました。すぐ忘れそうですが。
お子さまはだめよ「秘宝殿」
地獄極楽めぐりの後は、世界各国の性の美術品を展示した秘宝殿へ。もちろん18禁ですからね。おみやげにキーホルダーを買いました。こりゃあ、人前で使えないなあ。(2006年01月29日訪問)【麻理】
追記:2014年08月24日
入り口の鬼は現在黄色になっています。リニューアルした伊豆極楽苑へGO!
参考文献
地図&情報
伊豆極楽苑(いずごくらくえん)
住所 :静岡県伊豆市下船原370-1
電話 :0558-87-0253(オーイイワ・ヤナ・オニコーサン)
入館料:800円
時間 :10:00~16:00
休館日:木曜日(臨時休業あり 公式サイト確認のこと)
駐車場:無料
関連URL:伊豆極楽苑 公式サイト