廃墟? それともお店? 国道263号線にある驚くべき建築物。すべての建材は廃材。 地元アーティストM氏がたった一人で作り上げた仰天のアートハウスをレポートします。
目立ちすぎるその外観
猛吹雪の九州佐賀市。巨石パークが天候不順のため休園でがっかりしていた帰り道。巨石パークから数分の国道263号線で、驚くべき建築物を目にしました。国道沿いですが周りは木々に囲まれているので、ここだけが異様に目立つのです。遠くからでもはっきり分かるこの建築物に興味津々。近くにクルマを停めて見に行くことにしました。
廃材で作られた家
外をぐるりと回ってみると、どうも建材は廃材を利用しているものと思われました。形も大きさもバラバラの板が積み重なるようにして家を形成しています。ペンキが塗られたり、人形が飾られているのでどうも廃墟ではなさそう。
手作り感あふれるシーサー
入り口のところに「もうすぐ唄うばい。うっ!」と書かれた黒板と、手作りのシーサー像がありました。表面に陶器のかけらがモザイク状に埋め込まれていてなかなか味がある作風。ひょっとしたらアートギャラリーなのかもしれません。
オーナーさんにお会いできました
「ごめんくださーい!」「どなたかいませんかー?」と声をかけてみると、裏のほうでゴソゴソ音がします。どなたかいらっしゃるみたい。裏手にまわると中年の男性がドラム缶に火をくべていました。
廃材で作り続ける手作りハウス
その方がオーナーさんで、お話を聴くことができました。彼はMさんという方で、あちこちのゴミ捨て場、廃材置き場から使えそうなものを拾ってきて、少しずつこの家を建て続けているのだそうです。えっ、こんな大きな家をたった一人で? 柱になるような太い角材とか大変だったでしょうに。
佐賀のメディアで有名なアートハウス
なんでも佐賀のテレビや雑誌などに何度かとりあげられたことがある有名なアートハウスだそうです。県外からもよく見学に来るんだよとMさんはニコニコされてました。いやー、私全然ノーマークでした。珍スポットはまだまだたくさんあるんだなー。
アートハウス探検
「写真を撮ってもいいですか?」とお聞きするとどこでも自由にどうぞと、Mさんは作業に戻られました。階段を登ってアートハウス探検。その時気がついたのですが、この家の部屋はどこかしら壁や天井がなくて吹きさらしなんです。雪がビュービュー舞い込んでめちゃくちゃ寒い!
手作りの窯まで設置
中にはレンガを積み上げて作った窯まであります。80年代のグラビアポスターが貼ってあったかと思うと、古びたドアが壁に立てかけてあったり、極彩色に塗られた本棚が並んでいたり。このカオス感!
壁も床も板のパッチワーク
壁も床も、板をつなぎあわせて作られているパッチワーク。天井の穴から日がさしているので、電球がなくても暗く感じません。こういうの重機がなければ難しいんじゃないかしら。たった一人で棟上げとかすごすぎる。
カラフル&アナーキーな色調
ペンキもその場のフィーリングで塗られるので色調はバラバラなんですが、それがかえって前衛的で面白みがあると思いました。カラフル&アナーキーでいいなあ。看板(テレビ)に書かれていた「美術館より美術感!!ART↑↑」のキャッチフレーズもイカス!
運が良ければお会いできるかも
他にもいろいろお聞きしたのですが個人情報なので割愛。 Mさんはユニークで楽しい方でした。時間があるときにはこの家でモノづくりをされているそうなので、運が良ければお会いできるかもしれませんよ。(2015年01月01日訪問)【麻理】
参考文献
地図&情報
M氏のアートハウス
住所 :佐賀県佐賀市大和町