長崎市内の福済寺の観音様。高さ18メートル、重さ35トン。特徴的なのは巨大なカメに乗っかっているところです。原爆の犠牲者を弔うため、世界平和を祈るために1979年に建立。
エキゾチックなお寺は長崎四福寺の唐寺
福済寺は長崎四福寺の一つです。他の3つは崇福寺、興福寺、聖福寺でいずれも中国出身の唐人によって建立された唐寺です。エキゾチックな中国風の建築様式が特徴。昭和2年には国宝に指定されましたが、残念ながら原爆によって建物が焼失してしまいました。これは戦後に新たに建てられた建物。
原爆の犠牲者を弔うため建立
亀の上に乗った長崎観音の高さは18メートル、35トンもあります。アルミ合金でできています。この観音様は正式には万国霊廟長崎観音と言って、原爆の犠牲者を弔うため、世界平和を祈るために1979年に建立されました。
万年生きる亀が願いを叶える
右手で乾きに苦しむ被害者に甘露の水を与え、左手で安らかに眠りなさいと念じていらっしゃいます。亀に乗っているのは、亀が仏様のお使いだから。また万年も生きるという亀はどんなに長い時間かかっても願いを叶えてくれるといいます。
観音像の内部にフーコーの振り子
鎮魂の祈りがみちている非常に真面目なお寺なんですが、どうみてもアンバランスな一画があるんですよ。それは空洞の観音像の中に設置されたフーコーの振り子。物理の教科書でおなじみ、地球の自転を証明するための実験道具ですね。
なぜ日本一、世界3位の振り子が?
紐の長さは25.1mで日本一、世界でも3番目に大きなものなんだとか。いったいなぜ? 観音とフーコーの関係は? 理由を知りたくて仕方なかったのですが、境内には誰もおらず、振り子がある地下室も閉まっていました。なんてこった! 残念無念……。(2007年11月11日訪問)【麻理】
追記
珍スポットの先輩ほいじんがさん(我楽侘箱の世界)から情報をいただきました。ありがとうございました。ぜひ中を見たかったなあ。
なぜ日本一、世界3位の振り子が?」との問いについてですが、福済禅寺の冊子からの引用によりますと……
《「地球が動いている」ことの歴史的な実証の再現と、あわせて、この永遠に動き続ける地球とともに、私たち人類も「永遠に平和であること」への願いをこめて設置されたもの》
とのことです。
参考文献
地図&情報
福済寺(ふくさいじ)
住所 :長崎県長崎市筑後町2-56
電話 :095-823-2663
時間 :07:00~17:00
休業日:年中無休
拝観料:200円
駐車場:無料