印南町。和歌山県沿岸の中央に位置する町で人口は約1万人。恵まれた自然と田園風景が広がるのんびりした町です。周りの風景とのミスマッチが面白いかえる橋をご紹介します。
総事業費9億3,500万円の町おこし
珍スポットにかかせない要素「ふるさと創世資金」の1億円を投入し、総事業費9億3,500万円をかけて町おこしを狙ったのがこの「かえる橋」。住民の期待を一身に集めて、1995年3月に完成しました。
「努力、忍耐、飛躍」を象徴するカエル
なぜカエルなのか? それは「努力、忍耐、飛躍」を象徴する小野道風(おののみちかぜ・おののとうふう)の「柳に跳びつくかえる」のイメージから、「考える」「人をかえる」「町をかえる」「古里へ帰る」「栄える」という5つの「かえる」にかけてキャラクタにしたんだとか。
小野道風のカエルの逸話
小野道風は平安時代前期に活動した能書家です。花札や切手にもなっていますね。小野道風は柳の木にカエルが飛びついているのを見て、書道の道もカエルのように努力や挑戦が必要であると考えた逸話があります。
ただし史実かどうか不明
問題はですね、これが本当の話かどうかよく分かってないってことで。ウィキペディアによると「ただし、この逸話は史実かどうか不明で、広まったのは江戸時代中期の浄瑠璃小野道風青柳硯(初演1754年)からと見られる。(その少し前、1750年に三浦梅園が随筆梅園叢書に書いているが、刊行されたのは1855年。)その後、第二次大戦以前の日本の国定教科書にもこの逸話が載せられ、多くの人に広まった」とあります。
かえる橋を実際に渡ってみる
ま、そんな水を差すような話はおいておいて橋へ近づいてみましょう。横から見ると、赤いカエル+黄色い子ガエルに見えるものの、橋を渡っている人にはごく普通の赤い橋。
かえる5ヶ条のレリーフ
橋の端には、例のかえる五か条、「考える」「人をかえる」「町をかえる」「古里へ帰る」「栄える」を彫ったレリーフがあります。
印南町のシンボル・カエル
レリーフの上にもカエルがのっかっていますよ。ここ印南町は、橋だけでなくあちこちにカエルのイメージ・キャラクタを採用しています。
郵便局のポストにもカエル
橋の近くの郵便局には、ポストの上にちょこんと座ったカエルちゃん。他にもあちこち看板にカエルのイラストが描かれています。カエル橋はJR印南駅のホームからも見られますので、紀勢本線に乗ったときにはお見逃しなく。
びんちょうタンに萌えろ!
印南町の隣町・みなべ町は備長炭の産地なんですが、大きなお友だちの間でブレイクした、萌え系キャラ「びんちょうタン」の故郷でもあります。アニメ化、キャラクタ商品化もされたびんちょうタン。かえる橋と一緒にぜひ押さえておきたいものです。(2006年10月08日訪問)【麻理】
参考文献
地図&情報
かえる橋(かえるばし)
住所 :和歌山県日高郡印南町印南
電話 :0738-42-0120(印南町役場)
駐車場:なし
関連URL:かえる橋 | 印南町