西表島のバーミィトウリョウという言葉は「私の分を分けてください」という意味。自然の恵みを我々人間にも分けてくださいという謙虚な気持ちを胸にナイトツアーへ参加しました。
日替わりのナイトツアーに参加
西表島ジャングルホテルパイヌマヤでは、満月前の夜にカヌーで海を楽しむ月夜カヌーや、2月の下旬から4月末にかけてのヤエヤマホタル鑑賞ツアーなど、夜の自然観察ツアーも企画しています。今回は日替わりでツアー内容が変わるナイトツアーに参加しました。
晴れた夜には満天の星空も楽しめる
西表島には街灯がほとんどありません。だから道路は真っ暗。懐中電灯は必需品です。この日はあいにく雨が降っていたので星は見えませんでしたが、晴れていれば天空いっぱいの星空を眺めることができますよ。今回はホテル敷地内の散策と夜のマングローブを歩くツアーでした。
生き物があふれる道路
でもマングローブの林に辿り着くまでが大変。なぜならアスファルトの道路は生き物でいっぱいだからです。カニ、カエル、昆虫があっちにもこっちにも。そーっと足を置いてゆっくり進まないと、踏みつぶしてしまいそうです。
バーミィトウリョウって何?
ところで西表島の「バーミィトウリョウ」という言葉を聞いたことがありますか? これは「私の分を分けてください」という意味です。つまり海、森、川、山という自然の中で、私たちは生きさせてもらっている、自然を我が物顔で搾取するのではなく、私にも分けてくださいねという謙虚な気持ちを忘れてはいけないという意味です。
残していいのは足あとだけ、とっていいのは、写真だけ
パイヌマヤだけでなく、様々なショップがエコツアーを企画していますが、私たちはあくまで自然の中にお邪魔させてもらっているという、バーミィトウリョウの精神を尊重しなければいけません。なるべく自然に影響を与えない、自然のモノを勝手に取らない、触らない。残していいのは足あとだけ、とっていいのは写真だけです。
真っ暗なジャングル
この日は雨で足元がぬかるんでいるので注意が必要でした。虫の音や鳥の鳴き声が真っ暗なジャングルに響いています。都会に暮らしていると街灯やらお店の灯りやらで夜でも明るいのですが、西表島の夜は真の闇です。ワクワクするなあ。
地面に生えているのは?
地面から15センチばかりの棒がにょきにょきと生えています。これいったい何だと思いますか? これはマングローブの種子なんです。西表島を散策していると水辺によく落っこちているのですが、これを地元の方やレンジャーの方々が拾って地面に指して育てているのです。
海と森の生態系を作るマングローブ
棒状をしているのは、上から落っこた時にうまく地面に刺さるためなんですね。森ができると、動物が集まってきてそこに生態系が作られます。海水でも育つマングローブは、小魚、カニ、貝、エビなどの水生生物と、森に住む鳥や爬虫類、哺乳類などの陸生の生物両方を育てます。マングローブって万能だね。
あっ、危ない! 気をつけて
元来た道を引き返す途中で、ガイドのお兄さんが「あっ! 気をつけて!」と叫びました。ふと道の端っこを見てみると、そこにはとぐろを巻いたハブが! 道路の小動物を食べようと這い出してきたんですね。うっかり踏んだらエライことです。ナイトツアーではくれぐれも足元に気をつけて歩きましょう。(2012年05月14日訪問)【麻理】
参考文献
地図&情報
西表島ジャングルホテルパイヌマヤ(いりおもてじゃんぐるほてるぱいぬまや)
住所 :沖縄県八重山郡竹富町高那243
電話 :0980-85-5700
関連URL:【公式】西表島でカヌー・トレッキングツアーならアウトドア専門ホテル 「ジャングルホテル パイヌマヤ」