愛媛県の石手寺は四国八十八ヶ所の中でも一級というだけでなく、珍スポットとしても一級のお寺。お坊さんご自身も「なぜ作られたのか分からない」という地底マントラは必見です。
宝物館の外観写真がなかったワケ
前編では、蛇骨や石剣のある石手寺(いしてじ)・宝物館を訪れました。でも建物の写真がなかったのはワケがあります。こちらは宝物館入り口の写真。これだもの。中国雑伎団的アクロバットを披露しているお二人。珍な印象のものは後編にとっておきたかったんですよ。
印象がバラバラな仏像
宝物館前の雑伎団仏像は軽いジャブ。石手寺の敷地内には、どういうわけだか仏像・銅像がやたらと立っているのです。精巧な造りのもの、手作りっぽい素朴なもの、石仏、木彫り、コンクリート製などバラバラの印象。あまり統一感がありません。
メインの洞窟「地底マントラ」へ
珍スポ的第六感をお持ちの方はこの時点で「国宝があるような大寺院なのに、妙に変だな~(稲川淳二風に)」と思い始めるはず。あなたのその直感は正しい。さあ、メインの洞窟・地底マントラへと急ぎましょう。
お坊さんに聞いてみました
石手寺についてガイドブックやネットなどいろいろ調べたんですが、地底マントラなどがなぜ作られたのかさっぱり詳細が分かりませんでした。それに洞窟前で掃き掃除をしていたお坊さんに聞いてみたんですよ。
私「とても個性的な(←便利な言葉)洞窟や仏像ですね。どうしてこのようなものが作られたんですか?」
僧「……正直……私も……よく分かりません」
私「………………そうですか」
この地底マントラはいったい……?
実際分からなかったのか、言いたくなかっただけなのかは不明。でも文章よりも写真を見ていただく方が、石手寺の珍な突き抜け具合が良く伝わるかもしれませんね。地底マントラ内部。
今は光らない電飾
途中に大きな石仏。頭の上のシャンデリアみたいなチープ電飾がかなりの違和感。昔はストロボがたかれて電飾が光っていたみたいですが、現在は電気通っていないようです。
中は真っ暗の洞窟
誰もいなかったからフラッシュ撮影してますが、実際は真っ暗です。懐中電灯必携。足元が悪いし危なくて仕方ないです。もうひたすら不気味で出口へ急ぐ足がだんだん早くなってきます。
出口の広場に仏像
道は途中で二股に分かれていますが、真っ直ぐ進む道から先に見てみます。出口を抜けると草ぼうぼうの広場。これも石手寺関係の土地なのかな? 黄金色に輝く仏像はいいとして、トーテムポールはなんでだろう。よくみるとどっちも塗装がはげてぼろぼろ状態です。
なぜか英語で書かれた看板
2メートル以上ある閻魔様がのっかったゲート。看板の下部が落ちてしまっています。「Welcome Maha Yenmar Ra….(読めない)」。外国人観光客用なんでしょうか? ここまで来る外国の方もいらっしゃるのかな。
塗装がハゲハゲの仏像
点在する仏像。どれもサイレントヒルばりに損傷が激しくて色がハゲハゲ。ちょっと不気味。明るい日中なので平気ですが、夜は一人では絶対無理。
不思議な球形建築
金色に塗られたパンプキン型の建物。宝珠を現しているのでしょうか。パンフレットにはマントラ塔とありました。「ご自由に拝観ください」と書かれているので中に入れます。
何百体もの木彫りの仏像
中は意外に広いホール。壁に沿ってぐるりと、木彫りの仏像が並んでいます。何百体あるんでしょう? 天井の一部がガラス張りになっているので内部は明るいのですが、異様な空気の重さを感じます。全仏像が中央を向いていて、自分に視線が集中するからでしょうか。圧迫感。
天井にシャンデリア?
天井はビーズで作られたようなシャンデリア(かな?)。仏像の数も多いし結構お金かかってると思いますが、今は放置状態みたい。あちこちほこりだらけなので、普段あまり人が入っていないのかもね。
プロジェクタでいったい何を映していたのか
壁にプロジェクタスクリーン。投影機も置かれてますが、ほこりで真っ白なので動かないかも。ここ、いったい何なんだろう? 住職のホームシアター? ソファもあるけど座るのはちょっと……。
幼稚園の壁に天女の壁画
この空間に長時間いるのはつらい。仏像の視線に耐えられないです。外に出るとほっとします。近くにいして幼稚園という、石手寺が運営しているらしい幼稚園があります。建物の一面にでっかく天女の壁画。くらくらするような極彩色。
休息所? 廃墟?
これまたよく分からない廃屋。休息所かしら。壁に大きな絵がいくつも並んでます。1メートル×2メートルぐらいかな。屋根つきだけどふきっさらしなので、せっかくの絵も色あせちゃって残念な状態に。
マントラ洞窟の出口部分
そろそろマントラ洞窟に引き返してみましょう。あっ、行きは気がつかなかったけど、出口側はこうなってたのね。入り口よりこっちの方が風格があって立派に見えます。
もう一方の道へ
途中枝分かれしていた道へ。地面も壁もよく見ると崩れてたりして老朽化が激しい。お地蔵さんいっぱい……。もう、早く出口行きたいです。
落書きOKのらくがき堂
らくがき堂には壁にたくさん願い事とか書かれています。京都のらくがき寺を思い出すなあ。ここも「ご自由に書いてください」とある壁だけしか書いちゃだめだよね。柱や仏像は絶対落書き禁止ですよ。以上で終了。面白かったけど、かなりの疲労感が……。
分からないことだらけの石手寺
アウトサイダーアートを思わせる奇っ怪オブジェの数々はいかがでしたでしょうか。格式ある古刹に似つかわしくない(でも私は大好きだけど)、この「珍なる石手寺」の顔はいったい何なんでしょうか。住職の趣味? でも観光客のあらゆるニーズに応える石手寺、そのサービス精神に脱帽です。(2009年05月04日・05日訪問)【麻理】
参考文献
地図&情報
石手寺(いしてじ)
(2019年03月19日追記)読者のkaiさんからの情報によりますと、地底マントラの先にあるマントラ塔の内部は普通の納骨堂になっており、木彫りの像などはすべて外においてある状態とのことです。2019年現在はこの記事の内容、画像と違っているようですのでどうぞご注意くださいませ。住所 :愛媛県松山市石手2-9-21
電話 :089-977-0870
時間 :08:00~17:00(宝物館・地底マントラ)
入館料:境内自由 宝物殿200円
駐車場:有料(200台)
関連URL:石手寺制作公式HP-悩み相談・駆け込み寺・四国霊場/仏教信仰遍路解説・国宝重文7点厄よけ子宝安産