福島県会津若松市の栄螺堂(さざえどう)は世界でも珍しい奇妙な建築物。二重らせんの構造はまるでDNAやメビウスの輪。不思議なモノに目がないあなたに是非オススメしたい物件です。
白虎隊以上に知られて欲しい
会津若松市といえば白虎隊が自刃したという悲劇の歴史で有名ですが、この栄螺堂(さざえどう)は世界でも類を見ない奇っ怪建築。でもあまり一般には知られおらず実にもったいない! 日本人の遊び心と建築技術の素晴らしさの一例としてもっと世界的に有名になってもいいのになあ。
江戸時代の栄螺堂は大人気
栄螺堂のようにらせん構造になっている建築物は、江戸時代にいくつか作られています。江戸にあった五百羅漢寺の栄螺堂(※)は、当時の人々の観光スポットとして大人気。1周すれば100の観音様を拝観できる手軽さに加え、最上階からの眺めやいつのまにやら入り口に戻ってしまう不思議体験が呼び物だったようです。
体が揺れるような感覚
栄螺堂をじっと見ていると、なんだか体がぐらぐら揺れてくるような不思議な感覚を覚えます。それは栄螺堂の窓が斜めになっているから。普通水平に窓があるという固定概念が揺さぶられるので、錯覚のように奇妙な感じがするんでしょうね。
現在は霊場巡りではない
昔の栄螺堂の内部は、観音様が順路に安置されている一種の回遊式仏閣になっていたようですが、現在の栄螺堂は霊場めぐりにはなっていないようです。では早速拝観料を払って中に入ってみましょう。
時計回りのスロープ
中に入ると時計回りのスロープが左手にあります。靴を脱いで上がるので、靴下がつるつる滑りますね。転ばないように気をつけて登っていきます。
不思議な感覚が続くスロープ
登っている間は体の感覚と視覚の情報が一致しないような不思議な感覚が続きます。斜めになった窓や傾いたスロープは生理的感覚を狂わせるからでしょうか。この印象を文字にするのはとても難しいので、ぜひご自分で体験してみてくださいとしか言いようがないです。私の筆の力が及ばずすみません。
右回りから左回りへ
ふらふらしながら2周ほど登ると頂上に到達。中央に太鼓橋のような渡り廊下があります。ここがターニングポイント。右回りで登っていたのが、左回りになる地点です。天井には千社札がびっしり。みんなちゃんとこういうの持ってきてるんだね。(※)
昇り降りする人がすれ違わない通路
そしてスロープは下り坂に。このスロープは先ほど登ってきたスロープとは別のもの。同じ道を通らずに昇り降りができるんですね。私が登った時は誰もいませんでしたが、もし大勢の人がいたら昇り降りする人が誰もすれ違わずに、みんな同じ進行方向で一周できるんです。面白いね〜。
ほんの数分の奇妙体験
そして2周ほど下ってもとの入り口に戻りました。1周はあっという間でした。写真を撮りながらでも1周5分。でもこの奇妙な感覚が楽しくて3周ほど回ってしまいました。
江戸時代の住職郁堂が建立
栄螺堂は江戸時代後期の1796年に、かつて存在していた正宗寺の住職・郁堂(いくどう)が建立したものだと言われていますが、他には何も詳しいことはわかっていません。
レオナルド・ダ・ヴィンチの二重階段
これは売店にあった栄螺堂の模型。中に二重階段があるのがよくわかります。二重階段は15世紀イタリアの天才、レオナルド・ダ・ヴィンチが考案したとされていて、西洋画を学んでいた江戸時代の秋田藩主・佐竹曙山(さたけしょくざん)がダヴィンチの構想を知り、郁堂に伝えたのではという説もあります。
真相は謎のまま
もしこの説が正しければ、遠くイタリアのアイデアが海を渡って日本で実現したみたいでロマンを感じますね。さて真相はいかに?
ピサの斜塔と さざえ堂
栄螺堂の近くには「天高し ピサの斜塔と さざえ堂」という句碑がありました。桜桃子(おうとうし)さんの句だそうです。ちびまる子ちゃんのさくらももこ氏とは別人。
うーん、私は俳句の良し悪しがよくわからないのですが、なんともミスマッチなような……。いや、いやまてよ。イタリアピサの斜塔とイタリアの天才・ダ・ヴィンチをかけていたら案外深い句なのかもしれないですね。(2013年11月27日訪問)【麻理】
参考文献
地図&情報
栄螺堂(さざえどう)
住所 :福島県会津若松市一箕町八幡滝沢155
電話 :0242-22-3163
休業日:年中無休
時間 :08:15~日没(04月~12月)09:00~16:00(01月~03月)
入場料:大人400円
関連URL:さざえ堂(国指定重要文化財)|観光スポット|会津若松観光ナビ