身長57メートル。赤ちゃんを抱っこした切れ長の目の美人観音は福島、やすらぎの郷会津村の会津慈母大観音像。観音様の美貌はトップクラス。造形師のセンスが光る美しい観音様です。
田園風景に立つ白い観音像
福島県会津若松市。国道49号線を走っていると見えてくる巨大な仏像。田んぼや林ののどかな風景の中、白いお姿でにょっきりと立っていらっしゃいます。
総工費10億円で個人が建立
ここやすらぎの郷・会津村(やすらぎのさとあいずむら)は、法國寺という宗教法人が運営する宗教施設です。
お話を聞かせていただいた売店の女性によると、会津慈母観音はツルカメ建設株式会社の故・芳賀昇之助(はがしょうのすけ)さんという方が、1986年に総工費10億円かけて建立したものだそうです。芳賀氏の死後は代表取締役の佐野進武氏が管理されていましたが、2010年に大弘山光明院・法國寺が経営を譲り受けました。
現在は法國寺による運営
法國寺は横浜にあるお寺なのですが、会津村は法國寺の会津別院という形で運営されています。もともとは熱心な信仰心を持つ芳賀氏が個人で建立されたものなんですね。
巨万の富を築いた億万長者が宗教施設や大仏を建設するケースはユートピア加賀の郷(石川)、越前大仏(福井)、布袋大仏(愛知)など各地にありましたが、こちらも負けず劣らずの規模です。
6万坪の日本庭園
会津村の総敷地面積は200,000平方メートル(6万坪)。一言で言えば、巨大な日本庭園です。四季折々の花々木々が整えられており、磐梯山の峰を源とした水が流れ落ちる大庭園。残念ながら曇り空だったのですが、ちょうど紅葉のシーズンだったのでもみじが緑に映えていましたよ。
必ず見きれる巨大観音像
ただ、庭園のどこにいても必ず巨大観音像が見きれてしまうので、どこで写真を撮ってもみな同じように見えてしまうんですよね。普通回遊式の庭園は風景の変化を楽しむものですが、インパクトありすぎな観音像が常に視界に入り込むので写真撮影のポイントに迷います。
なんとなく浅田選手に似てる
会津村の観音様はとてもかわいらしいお顔をしています。全体のフォルムが丸いからか若々しくて優しいイメージ。スケートの浅田真央選手のようなお顔です。浅田選手はもともと観音様に似た純和風美人だけど、会津慈母大観音像は他の巨大観音像に比べて若く見えるのでよけいそう思うのかな。
胎内巡りもできます
会津慈母大観音像は胎内巡りができる観音様です。世界一を誇る巨大さの牛久大仏に比べると身長57メートルは小ぶりですが、胸の高さの40メートル地点まで登れば、磐梯山や飯豊連峰などを望むことができます。
頂上までは5分ほど
えっちらおっちら5分ほど階段を登ると最上部につきました。会津慈母大観音像のミニチュア(といっても1メートルほど)の観音像が置かれた小さな部屋があるだけです。
40メートルからのパノラマ
窓から覗いてみました。……。うん。曇ってるから磐梯山は無理。田んぼと小さな山が見えるね……。以上。娯楽の多い現代人にとって眺望だけを楽しむのは難しいかもね。
観光客が全くいない……
今まで触れませんでしたが、実はこの日園内には私の他にまったく観光客がいませんでした。売店の女性によると会津村が開園して5年ほどは、お茶屋さんの売上は1日70万円以上あったそうです。でも今は1日7千円あれば良い方。これじゃあスタッフのみなさんのお給料も出ません。
それと今は入場料は大人500円に値下げされていますが、当初は入場料900円に加え、胎内巡り拝観料200円の1100円の料金だったそうで。うーん、このお値段設定では何度も足を運ぶのは難しいかもなあ……。
珍的な見どころはココ!
でも今のご住職は震災後に無料で被災者を招待したり、幼稚園児の見学ツアーを企画したりと熱心に運営されているとか。地震にも堪えた観音様を私も是非応援したいです。そんなわけで珍的見どころ。これは回遊庭園の途中にある涅槃像。
舌を噛みそうな名前の涅槃像
1985年の筑波科学博(つくば万博)の時のスリランカパビリオンから譲り受けた仏像です。ポロンナルワ・ガルヴィハラの巨大釈迦横臥像と舌を噛みそうな説明書きがありました。日本の仏像と違ったエキゾチックなお顔立ち。昼寝してるんじゃなくて、この世を去ろうとしてるお釈迦様の姿です。
話題の写経体験
それと庭園の途中にある写経体験所。「話題の写経体験」とあったのだけど写経が今、話題沸騰中なのかどうかは寡聞にして存じません。
話題の写経体験
パンフレットには
調心、調生、調身の段階を踏んで、精神統一をはかることにより、視覚(眼)・聴覚(耳)・臭覚(鼻)・味覚(舌)・触覚(身)の五感を研ぎ澄まし、大宇宙の意識と一体となることを目指します
となんかものすごいことが書いてあるので、やってみようかなと思ったのだけど(無料だし!)、係の方がいらっしゃらなかったので断念。
子宝に恵まれる珍木
そして会津慈母観音胎内巡り入り口にある、子宝に恵まれる珍木。食堂の女性は「ものすごいご利益があるのよ!」と力を込めておっしゃってました。みんなもナデナデしよう!(2013年11月27日訪問)【麻理】
追記:2015年10月26日
ツイッターで tameぱんたかさんに情報をいただきました。会津慈母大観音像は今年2015年05月に、建立以来初となる大規模な修復作業が行われたそうです。修復後の会津慈母観音はピッカピカで真っ白! ぜひご覧になってください。
会津村の「会津慈母大観音像」で昨日から清掃作業に入っております💦💦 高所作業のプロの方がロープ1本で作業をしてます💪💪💪 10日後には、きれいになった観音様を見る事ができますよo(^▽^)o 尚、清掃作業中も拝観できます✨✨ pic.twitter.com/gEWLT9ocev
— やすらぎの郷 会津村 (@aizumura) 2015, 5月 14
@IgarashiMari 5月に修復作業をしたようです。 RT>やすらぎの郷 会津村 @aizumura 5月19日 会津慈母大観音像で建立以来初となる大規模な修復作業(福島15/05/14) pic.twitter.com/5Ker38y8Ua
— tameぱんたか@team SAKI (@ionesunmoon2) 2015, 10月 26
参考文献
地図&情報
やすらぎの郷会津村(やすらぎのさとあいずむら)
住所 :福島県会津若松市河東町浅山堂ヶ入7
電話 :0242-75-3434
休業日:年中無休
時間 :09:00~17:00(04月~11月)10:00~16:00(12月~03月)
入場料:大人500円
駐車場:無料
関連URL:宗教法人法國寺 会津別院 やすらぎの郷 会津村のサイトへようこそ