福島の珍スポットとして知らないマニアはモグリとまで言われるカッパ村。カッパや味のあるオブジェが数百体。ここはアーティスト・箭内隆寿さんによるセルフ町おこしスポットです。
温泉旅館の一角にあるミニテーマパーク
福島県田村市船引町。あぶくま高原にある温泉旅館・花の湯に、カラフルな人形がたくさん置かれた一角があります。ここはカッパ村。下里工芸のご主人である箭内隆寿(やないたかじ)さん(85歳 ※2013年現在)の作品が一挙に見られるミニテーマパークなのです。
一人で作り上げたオヤジ系珍スポット
私はこの手のたった一人で作り上げた珍スポットが特に好きです。個人的にオヤジ系珍スポットと呼んでいます。趣味というレベルをつき抜けた自分だけのマイランドを作ってしまうのは、お父さんとかお祖父さんなど年配の男性が多いんですよ。
カッパオブジェで町おこし
ちょうど箭内さんが新作を作っていらっしゃったのでお話を伺うことができました。そもそも事の始まりは町おこし。花の湯の敷地を借りてたくさんの人形を並べ、工芸の町として人を呼ぶのが目的だったんですって。
バラエティに富んだ造形のカッパ
会社を引退した後に趣味でコンクリートのカッパ像を作り始め、それがどんどん増えていったのだそうです。カッパの道祖神、お母さんカッパ、カッパのオーケストラ、囲碁を打つカッパ。それぞれスタイルや顔つきが異なっていて、バラエティに富んでいます。なんでカッパなのかと聞いたら、特に意味はなくて形が作りやすいからだそうです。
カッパとカエルのサーキット場?
カッパとカエルのサーキット場も作ろうと思ってたんだけどねとおっしゃっていました。サーキット場? そりゃまたすごい計画です。でもしばらくしたらカッパは飽きてしまって、その後ふくろう作りに計画がシフト。
次はふくろう100体に挑戦
ふくろうは知性と学芸のシンボルであり、「福が籠もる→福籠(ふくろう)」という商売繁盛の象徴でもあります。人々の幸福への願いが込められたふくろうは縁起が良い! というわけで100体を目指してガンガンふくろうを作り続けた箭内さん。
あらゆるものをオブジェ化
でも箭内さんの好奇心は、カッパやふくろうにとどまりません。ディズニーキャラのミッキー、観音、般若、地蔵、ウルトラマン……などありとあらゆるものをコンクリートで作ってしまうのです! 等身大以上の大きなオブジェもあります。相当体力が必要なんじゃないかしら。とても80歳を超えているとは思えないバイタリティです。
新作はアンパンマンキャラカカシ
現在箭内さんはアンパンマンのキャラクタ100体の制作に挑戦されています。これらはカカシなんだそうです。発泡スチロールを芯にしておおよその形を作り、表面をコンクリートで固めて彩色。私が訪れた時はちょうど主人公のアンパンマンを作っていらっしゃいました。
進化し続けるカッパ村
次々と新しいことに挑戦されている箭内さん。年をとってもこんな風にエネルギッシュでありたいと思う素敵な方でした。進化し続けるカッパ村から目が離せません。
この後箭内さんのアトリエである下里セメント工業(下里工芸)へ向かいました。こちらのレポートもぜひ。(2013年11月26日訪問)【麻理】
追記:動画で見るカッパ村
福島ローカルの番組・ふくラボ!の取材動画です。カッパ村の様子と、箭内さんのインタビューが見られますよ。【麻理】
参考文献
地図&情報
カッパ村(かっぱむら)
住所 :福島県田村市船引町船引字沼田65−16
電話 :0247-82-0177(下里工芸)
入場料:無料
休園日:不明
時間 :不明