亀の頭にご注目! レトロ&キッチュな遊覧船「猪苗代湖」【福島】

猪苗代湖の遊覧船
福島県の真ん中にある湖・猪苗代湖。日本で4番目に大きな湖です。湖畔にオートキャンプ場もあり、シーズンには観光客で賑わいます。冬の猪苗代湖遊覧船(磐梯観光船)をレポート。

2020年06月15日をもって、磐梯観光船は事業を停止されていましたが、2021年10月29日より運行が再開されたそうです。新しく詳細は記事下の追記を御覧ください。

遊覧船発着所・翁島港

猪苗代湖の遊覧船
ここは福島県耶麻郡猪苗代町の翁島港(おきなじまこう)マリーナ。猪苗代湖の北岸にあります。翁島港は観光港で遊覧船の発着場となっています。翁島(おきなじま)というのは、猪苗代湖(いなわしろこ)の北西にある無人島です。翁島には不思議な伝説が残っています。

翁島の伝説

猪苗代湖の遊覧船
昔、みすぼらしい旅の僧が水を求めて村にやって来ました。村人は僧を邪険に扱いましたが、ただ一人の村の老人だけが僧に水をあげました。すると僧が立ち去った3日後に磐梯山が噴火して、村は猪苗代湖の湖底に沈んでしまいました。

唯一老人の家の周りだけが水没せずに、島として残りました。それから島は老人にちなんで翁島と呼ばれるようになりましたとさ。この写真の中央の島が翁島です。この旅の僧は弘法大師だったとも言われています。さすが超人・空海、復讐もハンパないな。彼、日本全国いたるところに出没して伝説を残してますね。

空海がいっぱい! 一生分の弘法大師像を見られる「東光寺」【愛知】
愛知県半田市の東光寺は空海の62年の生涯を62体の人形で再現したお寺です。お堂の中には極彩色の空海、空海、空海! 弘法大師実物大フィギュア。全62体でコンプリートです。

カモで水面が一杯!

猪苗代湖の遊覧船
さてそれはともかく、猪苗代湖。クルマをとめてふと水面を見るととんでもない数のカモが!餌のパンを売店で売っているからか、人が近づくと一斉に寄ってくるのです。雪が降り積もるシーズンには白鳥もたくさん浮かんでいて、水面が芋洗い状態になるんですよ。

カモの向こうには遊覧船

猪苗代湖の遊覧船
そしてカモから遠くに目をやると、白鳥とカメの遊覧船が見えてきます。

約30分の船旅

猪苗代湖の遊覧船
磐梯観光船の猪苗代湖遊覧ツアーでは、予約なしで毎日乗れる翁島めぐりや、予約制の長浜沖合いめぐり、赤崎・湖心めぐり、長浜~舟津めぐりがあります。予約制のツアーは条件が30名以上からなので飛び込みでは難しいですが、翁島めぐりだったら当日でも35分の船旅を楽しめます。

2000羽の白鳥の湖

猪苗代湖の遊覧船
このはくちょう丸、なかなか愛嬌のある顔をしています。頭に載せた王冠が可愛いですね。猪苗代湖は毎年12月にはシベリアから白鳥が飛来します。その数2000羽以上。猪苗代湖の冬のアイドルにふさわしい遊覧船です。

レトロ遊覧船はよく見ると親子亀

猪苗代湖の遊覧船
後ろにいるのはかめ丸。デザインが昭和っぽくてノスタルジック。よく見ると親子亀で、ママの背中に子ガメが乗っているんですよ。

ツケマツケル・カメ

猪苗代湖の遊覧船
なんで「パパ」じゃなくて、「ママ」なのかって? それはカメさんの頭をよく見るとわかります。まつ毛バチバチ! しかもツケマ。ツケマツケルカメ。まあ、まつ毛バチバチの男性もいるけど、多分ママなんじゃないかなと思います。

一番の珍のいるか号は引退

猪苗代湖の遊覧船
ところで、昔猪苗代湖の観光船ってこのかめ丸、はくちょう丸の他にいるかもいなかったっけ? ネットを調べてみたら、やっぱり昔はいた! (猪苗代湖にて! – たぬ吉の今日この頃 様)。

イルカっていうかクジラっていうか、サメっていうか……という珍妙なデザインだったのに今はなくなっている模様。磐梯観光船の公式サイトでも一言も触れられてないけど、やっぱデザインのせいかな……。(2013年11月27日訪問)【麻理】

追記1:2020年6月17日

大変残念ながら磐梯観光船は2020年06月17日に事業を停止し、はくちょう丸などの遊覧船は姿を消すこととなりました。

さよなら猪苗代の「はくちょう丸」 運航会社が破産申請

猪苗代湖と桧原湖で観光船を運航する会社「磐梯観光船」(猪苗代町)が、福島地裁会津若松支部に破産手続きを申し立てた。「はくちょう丸」などが観光客らに人気だったが、近年は客足が伸び悩んでいたうえ、新型コロナウイルスの影響が追い打ちをかけた。これで二つの湖の観光船は姿を消すことになる。

新型コロナで4月13日から休業していたが、今月15日に事業を停止した。代理人弁護士によると、負債総額は調査中。同社は「最後にもう一度だけでも運航したかったのですが、実現することができず、本当に残念です」とのコメントをホームページに載せた。

同社は1959年に設立され、二つの湖で計4隻の観光船を所有。とくに猪苗代湖の「はくちょう丸」と「かめ丸」はユニークな形で、観光や修学旅行などの子どもたちに親しまれた。昭和天皇がダイヤモンド婚を記念した旅行で乗船されたこともあった。

信用調査会社によると、最盛期の乗船客は年間約10万人。しかし、レジャーが多様化したことに加え、原発事故の風評被害を受けて、客足が落ち込んだ。今年はかき入れ時の春の大型連休に営業できず、夏場の需要も見込めないことから、事業継続を断念した。

猪苗代湖畔の「レイクサイドホテル みなとや」の渡部英一社長(68)は「湖の観光の看板で、なくてはならない存在だけに寂しい思い」と語った。

前後公・猪苗代町長は16日、朝日新聞の取材に対して「コロナ収束後に(観光船を)町の活性化につなげていきたいと思っていた。残念としかいいようがない」。小椋敏一・北塩原村長は「突然の話でびっくりした。今後どんなことができるか、考えていかなければならない」と述べた。(上田真仁)

さよなら猪苗代の「はくちょう丸」 運航会社が破産申請 [新型コロナウイルス]:朝日新聞デジタル(2020年6月17日 12時30分)

追記1:2021年11月08日

運営会社が自己破産し一時廃船の危機にひんした遊覧船「はくちょう丸」でしたが、新しい会社が設立されて再び運行されることになりました。本当に良かったです。情報をお寄せくださったSさん、ありがとうございました!

廃船危機乗り越え再び出航、福島
猪苗代湖、はくちょう丸

福島県・猪苗代湖で長年シンボルとして親しまれながら、運営会社が自己破産し一時廃船の危機にひんした遊覧船「はくちょう丸」が29日、新会社の下で運航を再開した。新型コロナウイルス禍による客の減少で昨年4月に運航を停止して以降、事業承継や資金確保を経て新たな船出にこぎ着けた。

約50人の客が乗った第1便は晴天の中を出航。新会社、猪苗代観光船の渡部英一社長は桟橋から見送り、「全国から寄せられた支援のおかげで再開でき感無量だ」と話した。

当面は毎週金、土、日曜と祝日に1日3回運航する。約35分の船旅では磐梯山や湖の眺めを楽しめる。(一般社団法人共同通信社 10/29 19:41 (※リンク切れ))

参考文献

地図&情報

磐梯観光船(ばんだいかんこうせん)

閉鎖している施設です。ご注意ください。詳細は記事下の追記を御覧ください。

住所 :福島県耶麻郡猪苗代町長浜湖畔
電話 :0242-65-2100(猪苗代湖長浜営業所)
時期 :4月下旬~11月上旬
料金 :コースによって価格が違うので公式サイトを参照のこと
駐車場:110台

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