線路から見えるコンクリートの大仏その2「布袋大仏」【愛知】

線路から見えるコンクリートの大仏は聚楽園大仏だけではありません。マニアにとってはむしろ布袋大仏の方が知名度が高いかもしれません。愛知県江南市へクルマを走らせました。

線路から見える大仏は18メートル

名鉄犬山線の布袋駅から徒歩10分程度。布袋の大仏様が木々の間からひょっこり顔を覗かせます。鉄筋コンクリート製で高さは18メートル。奈良の大仏より2メートル高いんです。大島渚監督もしくは岸部一徳氏に似た感じのお顔。

妙にあたまでっかちで味のある顔をしていますが、数々の大仏をご覧になってきたあなたにとってはそれほどのインパクトがないかもしれません。でもマニアにとって布袋大仏が特別なのは、お寺関係が建立したのではなく個人が建立、所有しているからなのです。

聚楽園大仏や越前大仏もそうだけど、個人で大仏を作ろうと思うのがすごい。この奇抜なアイデアの持ち主は、故・前田秀信氏。鍼灸師をなさっていた方です。2007年08月10日の日経流通新聞によると、現在は息子さんの前田正秀氏（70歳）が管理していらっしゃるそうです。

すぐそばにある説明書きにはこうあります。「四十三歳のとき夢のお告げがあり、人々を病気の苦難から助けようと建立を決意されました」。ゆ・め・の・お・つ・げ！　珍スポット的には非常に重要なキーワードです。典型的オヤジ系スポットですな。

私財をなげうって後の世の人のために何かを残したいという志は素晴らしいですね。うらやましい。私もいつか「神の啓示を受けたからです」と遠い目をしながら言ってみたい。

説明書きのすぐ下にはこんなポスターが。かすれてよく見えないけど「夜空にブリリアント　大仏様ライトアップ作戦　見に来てネ！」　大作戦にブリリアント。ハイカラでフレンドリーな大仏様です。

桜の満開の中ライトアップされている大仏は絵になるだろうなあ。桜の季節に来たかった。隣のベニヤに貼られたたくさんのお札シールを見れば、地域の人に親しまれていることが分かりますね。

この大仏は建物の大佛治療院と融合した形になっています。住居と大仏一体型なのはとても珍しいですね。営業中の札がかかっていますので誰かいらっしゃるのかな。

これはぜひお話を伺わなくては！　とわくわくしたのですが、ぎっちぎちに詰めた愛知珍スポット旅行のスケジュールにより時間がなくなってしまいました。次に急がねばなりませんので今回はこれにてゴメン。（2008年06月15日訪問）【麻理】

ネットであちこち調べたところ「~~WAYAYA丼＜おでかけ丼＞~~（リンク切れ）」様のサイトにこんな情報が。

名鉄布袋駅徒歩5分。奈良の大仏より2ｍ大きい、18ｍの大仏。愛らしい顔の大仏の裏には『治療院』が！治療にあたるデビッド前田先生（日本人）は、元々日本で薬剤師をしていて、27年程前に渡米し、東洋医学を学んだという経歴の持ち主。腕は確かで近所でも評判です。

「デビット前田先生（日本人）」という部分がヒジョーに気になります。機会があればぜひ再訪してお話を伺いたいです。

デイリーポータルの大北栄人さんが布袋大仏とデビット前田先生について取材された記事です。大仏を建立されたお父上と前田先生、お二人とも個性的な方だったんですね。

扶桑社

布袋大仏（ほていだいぶつ）

住所　：愛知県江南市木賀町大門135
電話　：0587-54-2668（布袋大仏接骨院）
時間　：拝観自由
駐車場：なし