叩いて下さい、投げて下さい──京都市東山区の恵美須(ゑびす)神社は一風変わった参拝方法で知られています。どうしてそんな作法があるのでしょうか? さあお参りしてみましょう。
拝殿横の不思議な張り紙
商業地区でありながら一本道を入ると静かな住宅街。地元の街に溶け込んだ静かな神社です。拝殿横の壁を見ると「優しくトントンと叩いて下さい」という張り紙がありますよ。
優しくノックするように叩きましょう
叩いてお参りするなんて変わっていますね。実はこの神社の恵比寿様は、かなりのご高齢でお耳が遠いんですって。だから「もしもし、お参りに来ましたよ」と肩を叩いてお知らせするためなのだそうで。
でもあくまで優しくノックすること。以前大勢の人がバンバン叩いたので、ここの格子が破れてしまったんです。現在は補強してありますが、くれぐれも「おじいちゃんの肩を叩くように」優しく、優しく。
日本三大恵比寿の一つ
京都の恵美須神社は、西宮、大阪今宮神社と並んで「日本三大ゑびす」と言われており、地元の方は「えべっさん」と呼んでいます。ゑびす様は商売繁盛の神として知られていますが、「商売はんじょ(繁盛)で笹持って来い!」という掛け声の笹は、この恵美須神社が発祥なんですよ。
福箕(みの)に向かってお賽銭を投げよう
恵美須神社は鳥居も変わっています。鳥居のところにある福箕(みの)にご注目(※逆光でちょっと見にくいですが恵比寿様の顔の下、熊手の上に網のようなものがあります)。ここにお賽銭を投げて上手く入ると、願いが叶うと言われています。でもお顔にガンガン硬貨が当たったら痛そう……。
恵比寿様は七福神の中で唯一日本の神様
叩かれたりお賽銭をぶつけられたりで、ちょっと気の毒なもする恵比寿様。彼は七福神のメンバーの一人ですが、実は七福神では日本生まれの神様は唯一恵比寿様だけです。他は中国やインドの神仏です。
十日えびす大祭はお賽銭は投げられません
十日えびす大祭のある期間はたくさんの参拝客が訪れます。その時は拝殿横の板をトントン叩く音が鳴り止みません。ただし鳥居の福箕には白い布がかけられてお賽銭を投げられないようになっています。大勢の人がごった返す中お賽銭を投げたら危ないですからね。(2015年10月31日訪問)【麻理】
参考文献
地図&情報
恵美須神社(えびすじんじゃ)
住所 :京都市東山区大和大路通四条下ル小松町125
電話 :075-525-0005
拝観料:無料
時間 :08:30~17:00
休業日:年中無休
駐車場:無料(2台)
関連URL:京都ゑびす神社