大阪歴史博物館の真の見どころは地下! 実はこの博物館は、難波長柄豊碕宮(なにわながらとよさきのみや)という宮殿の真上に建っています。遺跡見学ツアーも開催されていますよ。
そびえる楕円型のビル
2001年、大阪市にリニューアルオープンした大阪歴史博物館。元は大阪城にあった歴史博物館が移転してきたものです。莫大な建設費用をかけただけあって、そびえる楕円型のビルは目立ちに目立ちます。
10階は奈良時代の難波宮を再現
博物館は常設展示と特別展示に分かれています。6階が特別展示で別料金、7階から10階が常設展示。10階から下へと順に見学していきます。10階は古代フロア。奈良時代の難波宮を再現しています。
9階は中世、7階は近世
9階は中世・近世フロア。7階は近代のフロア。歴史を古代からさかのぼって現代に帰るというコンセプトです。精巧なミニチュア、リアルな実物大人形、美しい展示ウィンドウ。どっちを向いてもその豪華さにため息ばかり。
7階の大正~昭和再現フロアがお薦め
個人的にお薦めなのが、7階の大正末期~昭和初期の大阪の町を再現したフロア。この時代に私はぐっとくるものがありますので、わくわくしながら見学しましたよ。
真っ白実物大人形の展示
展示されている実物大人形は、どれも真っ白に塗られています。思い出すのは岐阜市歴史博物館。あちらは戦国時代でしたが、ジョージ・シーガル的真っ白人形が特徴でしたよね。

ここから先が言いたかった
……とまあ、ここまでは普通の旅行ガイドブックにも載っています。ここから先をご紹介したいがためにこの記事を書きました。普通10階から6階まで見るとほとんどの観光客は帰ってしまうんですが、地下1階を見ないなんてもったいない。
地下に遺跡をそのまま保存
実はこの博物館は難波長柄豊碕宮(なにわながらとよさきのみや)という宮殿の真上に建っているのですよ! 遺跡は地下にそのまま保存され、博物館で無料の遺跡見学ツアーを実施しています。御時間は30分ほど。係の方の詳細な説明ガイド付きです。
こういう解決の仕方もある
建物の建築と遺跡の保存は大きな問題になっています。遺跡が発見された場合、巨額の発掘調査の費用は誰が持つのか、建築か調査・保存かどちらを優先するかなどでもめることが多いのです。でもこの博物館は保存しつつビルを建てるという素晴らしい解決案の一例になりました。
大阪歴史博物館えらい!
もちろん経済的な問題で全ての遺跡を保存するのは難しいでしょうが、このような対策を取った大阪歴史博物館は大変素晴らしいと思います。見学者のみなさんはガラスで覆われた遺跡を前に興味津々でしたよ。
古代歴史マニア・『天上の虹』のファンへ
難波長柄豊碕宮は中大兄皇子が造営し、孝徳天皇が遷都した飛鳥時代の宮殿です。10階の難波長柄豊碕宮(前期難波宮)、聖武天皇の難波宮(後期難波宮)の展示と合わせてご覧ください。古代歴史マニアや『天上の虹』のファンならきっと満足できますよー。(2008年08月14日訪問)【麻理】
参考文献
地図&情報
大阪歴史博物館(おおさかれきしはくぶつかん)
住所 :大阪府大阪市中央区大手前4-1-32
電話 :06-6946-5728
時間 :09:30~17:00
入館料:600円
休業日:火曜(祝日の場合は翌日)・年末年始
関連URL:大阪歴史博物館