森の広場に電車が集結! 車両の第二の人生「いすみポッポの丘」【千葉】

いすみポッポの丘
千葉県いすみ市郊外の森の広場。カラフルな電車の車両が集まっていますよ。いすみポッポの丘は日本各地で活躍してきた旧国鉄や私鉄の引退車両が第二の人生を送っている場所です。

森の中にある鉄道ファン垂涎の地

いすみポッポの丘
田畑が広がるのどかないすみ市。いすみポッポの丘は鉄道ファンや鉄道好きの子供たちの注目を集めています。今はもう引退した懐かしの車両たちが、森の中にたくさん集結しているからです。いったいなぜ?

地元の方々のためにいすみ204号を保存

いすみポッポの丘
このポッポの丘は「ファームリゾート鶏卵牧場」という会社を経営する村石愛二さんという方が運営しています。よほどの鉄ちゃんか──と思いきや、実は全く鉄道の趣味はなかったそうです。2010年にいすみ鉄道のいすみ204号が廃車になるというニュースを聞いた村石さんは、地元民のために電車を残したいとポンと210万円で買い取ってしまったというからスゴイ!

【大人の遠足】鉄道ファンも納得!レトロ車両ずらり 千葉「いすみポッポの丘」(1/2ページ) – 産経ニュース(※リンク切れ)

全国の鉄道マニアから車両の廃車情報が寄せられる

いすみポッポの丘
そして2011年05月01日、元養鶏場だった地にポッポの丘をオープンすると、全国の鉄道マニアからスクラップにされそうな車両の情報が寄せられるようになりました。そして鉄ちゃん情報網によって次々と日本各地から車両が集まり、ついには20両以上もの一大コレクションになったのでした。

写真は大山ケーブルカー丹沢号(S40年製)。ケーブルカーなので山の斜面を利用して斜めに展示されている。車両内は立入禁止。

183系電車クハ183-21号車(S47年製)

いすみポッポの丘
こちらは房総東線(現在の房総線)として活躍してきたさざなみ・国鉄183系特急型電車クハ183-21。1972年に近畿車輛で製造されて、幕張電車区に配置されました。そして2006年まで働き続けた後に廃車となり長野県内で保存された後、2013年にポッポの丘へとやってきました。

ポッポの丘の名物は新鮮な卵かけごはん

いすみポッポの丘
さざなみをはじめ、丘の上にある車両には乗ることはできないのですが、広場にある車両は訪れた人が自由に出入りすることができます。こちらの看板に書かれているように、ポッポの丘の名物は村石さんの鶏卵牧場からとれた新鮮な卵。卵かけご飯も味わえるんですよ。

カフェTKGの卵かけご飯はしょうゆ、ゴマなど4種類の味がある。

カフェ・特産品のお土産売り場として再利用

いすみポッポの丘
引退車両の中をそのまま利用して、カフェや地元の特産品のお土産品売り場、ギャラリーにしているんです。こちらは卵を売っている車両。車両の保存とご商売の鶏卵の販売の一石二鳥。村石さん、なかなかのアイデアマンですね。

地元の方も新鮮な卵を買いに訪れる

いすみポッポの丘
ポッポの丘は、鉄道ファンだけでなく地元の方が新鮮な玉子を買いに足を運んでいるみたい。私も家の近くだったら買っているんだけどなあ……。名古屋からはるばる千葉までやってきている旅行者なので残念ながら購入できず。県内のみなさんどうぞお試しあれ!

久留里線キハ38-1(S61年製)はギャラリーに

いすみポッポの丘
こちらはギャラリーとなっている車両。鉄道写真を展示してあるみたいですよ。ここにはホームがないから、車両のドアはかなり高い位置にあります。脚立のステップを上がって中に入ってみましょう。

鉄道写真の展示にはまさにぴったりのギャラリー

いすみポッポの丘
地元の鉄道ファンが撮影された写真でしょうか。鉄道写真を展示するにはまさにぴったりのスペースですね。手作り感あふれるほのぼのとしたギャラリーです。博物館と違って実際に車両の中に入って観察できるのも良いですね。

地元の中高年のみなさんの思い出が蘇る

いすみポッポの丘
地元の中高年のみなさんも、ここに来たらきっと懐かしいのではないでしょうか。「これ、高校の通学の時に乗ってた」とか「家族と旅行に行ったなあ」なんて。子供の時に憧れだった運転席にも自由に座れますよ。昔を懐かしむことができる場所があるっていいですよね。

萌えキャラ・下総おうみちゃん

いすみポッポの丘
オールドファンだけでなく、若い鉄道ファンにもアピール。こちらはポッポの丘マスコットキャラクターの下総(しもうさ)おうみちゃん。車両のイメージカラーのコスチュームを身に着けている萌えキャラです。なんとクリアファイルなどのキャラクターグッズも販売されています。

下総おうみちゃんは近江国(現在の滋賀県)の神様に仕えていた妖精。近江鉄道のデユワ101、102形電車と仲良くなり、この電車がデハ701、702形電車と名前を変えて銚子電気鉄道へと譲られたことで一緒に下総国(現在の千葉北西部)へとやってきた──という設定らしい。

萌えキャラ・上総いすみちゃん

いすみポッポの丘
こちらは上総(かずさ)いすみちゃん。カフェとなっている車両のイメージにぴったりの可愛らしい衣装ですね。いすみ鉄道を引退し、旅立ついすみ204号車にお願いされ、いすみ鉄道を見守るためにやってきた菜の花の妖精だとか。

この車両はいすみ204号S63年製。黄色にグリーンのアクセントカラーが華やかで春を感じさせる素敵なデザイン。

東京農業大学のベンチャービジネスもバックアップ

いすみポッポの丘
また東京農業大学の学生ベンチャービジネスとして、ビタミンCの「カムカムドリンク」をはじめとする農大オススメ商品の販売もしているそうですよ。車両の保存に鶏卵・地元の特産品販売、カフェ、萌えキャラ、ベンチャービジネス。しかも入場料は無料! いやはや、村石さんやるなあ。心から感服しました。(2016年10月10日訪問)【麻理】

参考文献

地図&情報

いすみポッポの丘

住所 :千葉県いすみ市作田1298
電話 :0470-62-6751
営業日:金曜、土曜、日曜、月曜、祝日
休業日:火曜日〜木曜日
時間 :10:00~16:00
入場料:無料
駐車場:バイク500円 軽、普通自動車1000円 マイクロバス5000円 大型バス10000円

タイトルとURLをコピーしました