神奈川の横浜ドリームランドは1964年に開園し、2002年に37年の歴史に幕を下ろしました。現在は横浜薬科大学の校舎となっています。個人的な思い出について書きました。
現在は校舎として使われている
現在はその面影は全くなく、当時併設されていたホテルエンパイアが建っているのみ。ホテルエンパイアは現在、2006年開校の横浜薬科大学の校舎として使われています。21階建てで避雷針のてっぺんから地上まで93メートルもあります。
五重塔をびろ~んとのばしたホテル
今は上の部分以外は普通のビルですが、当時は全部の階に日本建築風の屋根があって、五重塔をびろ~んと上にのばしたような珍建築でした。最上階は展望レストランで360度ぐるりと回転したんです。回転展望レストランって懐かしい響きだなあ。現在最上階は横浜薬科大学の学食になっています。でももう回らないのかしら。
『江戸川乱歩の美女シリーズ』の「天国と地獄の美女」
私が横浜ドリームランドのことを知ったのは小学生の時。正確にはその場所が「横浜ドリームランド」という名前だと知ったのは大人になってからなんですが、当時テレビに映った映像により強烈なトラウマを私に刻み込んだのが彼の地でした。
その映像とは土曜ワイド劇場で1977年から1994年まで放映された『江戸川乱歩の美女シリーズ』の中の「天国と地獄の美女」。名探偵・明智小五郎は天知茂が演じていました。
『パノラマ島奇談』のロケ地
「天国と地獄の美女」の原作は江戸川乱歩の『パノラマ島奇談』です。莫大な遺産をなりすましによって手に入れた男が、幻想的な夢の島・パノラマ島を作るという怪奇物語。当時の私は乱歩の小説を読むには幼すぎたのですが、おどろおどろしく、禍々しく、猟奇的で魅惑的な島の様子に魅了されました。おっぱい丸出しのお姉さんがいっぱい出てきたりして、ドキドキしたのを覚えています。
後になってこのパノラマ島のロケ地の一つとして選ばれたのが横浜ドリームランドであることを知りましたが、なかなか行く機会がありませんでした。遊園地って一人じゃ行きにくいしね。ちなみに、バナナワニ園とか伊豆シャボテン公園などの珍スポットでもロケしてます。
夢の横浜ドリームランド(閉鎖)へ
大人になってから彼氏がディズニーランドに連れて行ってくれると言うところを、頼み込んで横浜ドリームランドにしてもらいました。その頃のドリームランドの園内はガラガラ、遊具はサビサビ。彼は「なんでせっかくのデートにこんなところを?」と困惑顔でしたが、古ぼけてはいてもあこがれのパノラマ島に来たことに私は感激していました。
専属の係員さん
どの乗り物も電気が止められていたので、係員のお兄さんが私たちの後ろをついて回っていました。「これに乗りたいんですが」というと、鍵束をポケットから取り出して電気を入れて動かしてくれました。
「ジャングル探検船」なんか、二人しか乗っていないのにお兄さんはマイク片手に解説を熱演。「潜水艦」は敬礼していってらっしゃいと挨拶してくださったなあ。外観はぼろぼろの状態だったけど、私の中ではキラキラした思い出になってます。
ネット上に数々の思い出レポート
その時カメラを持って行くんだったと少し後悔しています。でも写真がないから何度も輝く思い出として反芻することができるのかもしれません。ありし日の横浜ドリームランドはネット上にたくさん素晴らしいレポートがありますので探してみてくださいね。でも良い思い出のある方は「あえて写真は見ない」って選択肢もありかと思います。
神奈川県民のみなさん、覚えてますか?
特に神奈川県にお住まいの方にとって、横浜ドリームランドには特別な思い出があるんだろうなと思います。その夢の残り香がホテルエンパイアしか残っていないというのは寂しいですね。今回は少し趣旨の違うレポートとなりましたが、「昔こんな乗り物好きだった」「いや、懐かしいなあ~」なんて思っていただけたら嬉しいです。(2009年03月01日訪問)【麻理】
参考文献
地図&情報
(閉鎖)横浜ドリームランド(よこはまどりーむらんど)
現在閉鎖している施設です。ご注意ください。大変残念です。楽しい想い出をありがとうございました。住所 :
神奈川県横浜市戸塚区俣野町