昔「インパクトの瞬間ヘッドは回転する」っていうゴルフクラブのCMがありましたね。なんとお堂が360度回るお寺という噂を聞いて、神奈川県藤沢市の感応院に足を運んでみました。
「日本すきま漫遊記」さんで紹介
ここを知ったのはへりおすさんが管理人をなさっている日本すきま漫遊記というサイトです。日本全国の珍しいお寺、変わった神社など網羅している素晴らしいサイトです。境内の三島社は堂全体が回転するという奇建築というキャッチフレーズに心惹かれて私も訪れてみることにしました。
藤沢市で一番古いお寺
今回はお寺の方にいろいろとお話を伺うことができました。感応院の正式名称は三島山瑞光院感応院で、創建は1218年。藤沢市で一番古いお寺です。800年も歴史があるんですね。源頼朝が鷹狩りの際、無事に帰郷できることを祈願して開基したお寺なので、今も旅をされる方が旅行の安全を祈ってお参りに訪れたりするんだそうですよ。
360度回るお堂
境内入って奥の三島神社の鳥居に回るお堂があります。このお堂が作られたのは戦後だそうで、比較的新しいものです。このお堂がぐるりと360度回るのです。お堂の四方に回すためのハンドルがついていて、これをつかんで押すとお堂がごりごり回転する仕組み。写真のお堂の下部中央に支柱があるのが見えますでしょうか。この支柱以外は床が浮いている状態です。
現在は回すことはできません
しかし。現在はお堂を回すことはできません。なんでも近所の小学生が回して遊ぶものだから、破損を恐れて現在は回転厳禁ということになっているとか。こらー、ガキンチョ、お堂で遊ぶんじゃない! YouTubeでinomakoさん投稿の動画が見られます。こんな風に回りますよ。
なぜ回転するの?
さて一番聞きたかったのは「なぜ回転するのか?」ということ。この点については「日本すきま漫遊記」さんのページでは「回すこと自体が功徳だ」という見解を出されていますが、まさにその通りの事をうかがうことができました。
長谷寺の輪蔵(まわり堂)
たとえば鎌倉の有名なお寺・長谷寺には輪蔵(まわり堂)と呼ばれるお堂があります。これは中国の梁の時代(5世紀)の傅大士という学者が発明したもの。蔵内にお経が収められていて、時計回りに1回回すと、お経を1回読んだのと同じ功徳があるんです。イージーと言えばイージーですがとっても便利な装置ですよね。
六角形、八角形、円筒形はあるけれど
このように回転できるお堂(的なもの)は全国あちこちにあるんです。しかしほとんどは六角形、八角形、円筒形などで、お経が収められている経蔵堂。チベット仏教のマニ車もこの仲間と言えます(愛知県の野間大坊でもレポートしました)。でもこの感応院のように普通の形のお堂そのものが回転するというのは極めて珍しいものではないでしょうか。
仏教と回転の関係
仏教においては回転が重要なキーワードだと思います。卍という文字にしても、輪廻にしても。単にお手軽というだけでなく、ぐるりと一周して回るということに仏教的な意味があるのでしょうね。それにしてもインパクトの瞬間、ヘッドが回ると何が違うのかな。教えてゴルファー。(2009年03月01日訪問)【麻理】
参考文献
地図&情報
感応院(かんのういん)
住所 :神奈川県藤沢市大鋸2-6-8
電話 :0466-22-5886
休業日:年中無休
駐車場:なし
関連URL:感応院(神奈川県藤沢市大鋸2丁目) – 日本すきま漫遊記