船の博物館羊蹄丸は昭和30年代の青森をドラマチックなマネキンでリアルに再現。残念ながら2012年に閉鎖。羊蹄丸は解体されましたが、青函ワールドは八甲田丸に引っ越しました。
北海道と本州を結ぶ鉄道連絡航路
羊蹄丸は青森と函館を結ぶ鉄道連絡船として昭和40年(1965)に建造されました。以前ご紹介した青森の八甲田丸のお仲間。北海道の羊蹄山にちなんで名付けられました。引退後博物館として一般公開されています。船まるごとフローティングミュージアムです。
入り口の船長ロボットは序の口
船長のロボットが妙にリアルで少々気味が悪いですが、入り口の妙な動きをする船長ロボットにぎょっとするのはまだ早い。この先の青函ワールドはさらに愕然すること間違いなしであります。
あまりにリアルすぎる昭和30年代の青森
館内には昭和30年代の青森がリアルに、リアルすぎるほどにに再現されているのです。ぼんやり灯った裸電球。つやつやとしたリンゴ。さすがに室内は寒くないのですが、屋根につもった雪を見ると思わずブルリと身を震わせたくなります。
ドラマチック青函ワールド
作り込みがとにかく細かい。マネキン一体一体にドラマが見えるんです。お腹が空いているのを我慢している子供、それを気遣う母親。縮こまってうつむいている老婆。見てるだけでどよーんとダウナーな気持ちに。重い、重すぎる……。
いや楽しさはあふれてないと思う
戦後の貧しく暗い時代、重苦しい雰囲気がずっしり肩にのしかかってくるようです。公式サイトには
昭和30年代の青森駅の様子を体感できる『青函ワールド』、シアターなど楽しさあふれるパビリオンです
と書かれているんですが、「楽しさ」はあふれてないでしょう。これは。
ひと味違うマネキンの顔だち
なんでこんなにリアルなのかというと、マネキンの作りが他の珍スポットとひと味違うんです。みんな庶民的で個性的な顔だちばかり。どこにでもいそうな感じのおじちゃん、おばちゃん、坊ちゃん、嬢ちゃん。苦労とか貧しさとか希望とかいろんなものが滲み出ている顔つき。
昭和30年代にタイムスリップ
青森駅前、青森駅待合室、青函連絡船という3つのエリアに分かれています。マネキンはどれも実物大なので、ちょっとポーズをとればたちまちあなたも昭和30年代にタイムスリップできます。
説明書きも重い、重すぎるよ
闇米を背負ってみよう! という体験コーナもありますよ。
かつぎ屋のお母さん達が家族をささえるために、骨をきしませながら背負ったお米です
という説明書きにどんより気分がぬぐい去れませんが、一応レッツチャレンジ。……って、ちょ、むちゃくちゃ重いよ! 80キロとかおばあちゃんどうやって担いだの!?
現代に生きることの幸せをかみしめる
青函連絡船のコーナでは、別れを惜しむご婦人が。もう会えないかもしれない恋人を見つめているのでしょうか。凍えそうなカモメ見つめ泣いていました~♪(by津軽海峡冬景色)現代に生きることの幸福さをしみじみかみしめられるスポットでした。(2006年08月27日訪問)【麻理】
参考文献
地図&情報
船の科学館・羊蹄丸(ようていまる)
2012年に青函連絡船・羊蹄丸の展示は終了し2013年に解体されました。内部にあった青函ワールドは青森港の八甲田丸に引っ越しました。2012年7月31日から一般公開しています。また「別館展示場」と「屋外展示資料」も2024年1月28日に公開を終了。住所 :
東京都品川区東八潮3番1号
電話 :03-5500-1111
時間 :10:00~17:00(平日)
休館日:月曜・年末年始
入場料:無料
駐車場:有料(1時間300円・以降30分100円)
関連URL:船の科学館