江東区の東京税関情報ひろば。ワシントン条約違反の品々コーナーにはお金持ちの家に置いてありそうなトラや白クマの毛皮。象牙細工に珍しい動物の剥製。なんとシーラカンスの剥製まで!
留学生時代の税関の思い出
ところで留学生として米国へ渡ったときのことを思い出しました。留学生仲間の男子が龍角散を常備薬として持っていったんですが、入国審査の時税関職員に止められたんですよ。大柄なアメリカ人係員を前に、彼はmedicine(薬)と言おうとして「ド、ドラッグ」 (ドラッグストアの連想)と答えてしまい、別室へ連れて行かれましたとさ。ネタじゃなくて本当です。
税関のお勉強に東京税関 情報ひろばへ
そんな思い出話は置いといて。輸出入される様々な品物が正しく通関されるように、常に目を光らせている税関。以前は港区品川にあったのですが、江東区の東京港湾合同庁舎に移転。情報ひろばとしてリニューアルオープンしました。
珍獣の剥製がわんさか
最初のコーナはワシントン条約違反の品々。よくお金持ちのリビングに置いてある(イメージの)トラや白クマの毛皮。象牙細工に珍しい動物の剥製。シーラカンスの剥製は日本においてはこれ1体のみという超貴重品です。
シーラカンスの剥製をめぐる珍騒動
このシーラカンス、あるアフリカの国の大統領から日本の建設会社に贈られたものなんですが、大統領が書類でスペルミスをしたため税関を通らなかったというトホホなエピソードがあるんです。現在は茨城県自然博物館にて修復・展示されています。
ありとあらゆる隠しの手口
密輸と言ったら非合法のクスリ、そして拳銃ですよ。ありとあらゆる隠し技が展示されています。缶詰の中身を入れ替える、スーツケースを二重底にするなんて序の口。税関のキャッチフレーズは「許しません、白い粉。通しません、黒い武器」ですから、こんなのは簡単にバレます。
壷、サーフボード、ぬいぐるみ、靴底
二重構造にして焼いた壷の中、くりぬいたサーフボード、ぬいぐるみのお腹、靴底などなど、いろんな手口を大公開。中には大理石の板を削って箱状にした豪華な方法もあって、あきれるやら感心するやら。なんというかショボい「スパイ大作戦」みたいな手口です。
不審を感じた職員の目
摘発についてのファイルをめくってみると「摘発端緒」の欄には「不審を感じ」という文字が並んでいます。プロが見るとやましいところがある人間は挙動不審ですぐに分かるらしいのです。目が泳いでいるというだけでなく、異常に軽装または厚着だったり、コンドームやビニールにクスリを詰めて呑み込んでいる人は苦しさと不快感で脂汗ダラダラかいていたり。
怪しい人間はすぐに分かる
覚せい剤のコーナはくどいぐらいに「模造品」と書かれています。誰だ、盗もうとするやつは! でも模造品ということはどれも単なる粉なので、違いがよく分かりません。
怪しい人間はすぐに分かる
麻薬探知犬コーナは、訓練する職員(ハンドラー)との絆が分かる訓練日記が興味深かったです。余談ですがファイルに登場するハンドラーのお兄さんがイケメン揃いなのも見ていて楽しい。
24時間密輸と戦い続ける税関
職員の目だけでなく、麻薬探知犬、金属探知器、ファイバースコープ、X線検査装置などなどハイテクを駆使。密輸をブロックするため24時間全力で戦い続ける税関に頭が下がります。ポルノや偽ブランドだってガッツリ捕まりますからね。ゆめゆめ持ち込もうなんて思っちゃダメよ。(2006年08月27日訪問)【麻理】
参考文献
地図&情報
東京税関 情報ひろば(とうきょうぜいかんじょうほうひろば)
住所 :東京都江東区青海2-7-11 東京港湾合同庁舎2階
電話 :03-3599-6264
時間 :09:00~17:00
休館日:土・日・祝日
入場料:無料
駐車場:なし
関連URL:東京税関「情報ひろば」 : 東京税関 Tokyo Customs