「日本ノ神ハ何?」と外国人に尋ねられたとき説明できますか? 「八百万の神が」の後が続かない方は東京都渋谷区の國學院大學神道資料館へGO! 神道や皇族に関することを学べますよ。
職員の方々に大歓迎を受ける!?
事前に見学したい旨を電話したのですが、校舎に近づくとバラバラと5、6名の職員の方が出てきて「どうぞ、こちらでございます!」と大歓待。え、いや、そんな、私はただの観光客でして……。
実はこの日は國學院の受験日。私は受験生と間違われたのでした。誤解が解けたら「なーんだ」とみなさんそそくさとお帰りになりました。すみません、紛らわしくて。
かなり地味な展示室
資料館はむしろ展示室と言った方がいい小さな一室です。貴重な資料もあるのですが、あまりに地味でもったいないような気が……。
40分もの神道集中講義
奥の研究室に男子職員の方がいらっしゃいました。「神道について知りたいのですが」と言うと、なんとこの後40分以上も神道に関する講義をしてくださったんですよ! 忙しい中本当にありがとうございます。
神道の知識が充実
この講義がものすごく面白い。専門の研究者による解説をマンツーマンでしていただけるなんて、ホントに入館料無料でいいのでしょうか。これは田の神様。日本人と農耕・信仰が密接に関係していることが分かります。
神饌は神の供物
神饌(しんせん)は神が食べる神聖な供物です。生米や野菜、生魚などが写っていますが、本来は神がすぐに食べることができるよう、新たに起こした神聖な別火(べっか)で調理したものをお供えしていました。
意外と人間に近い日本の神
これは直会(なおらい)。神の供物を食べ神の力を得る儀式です。日本の神は農業などの労働をします。人間が神を真似て「こんなに収穫がありました」と神事で報告するんですね。だから現在も天皇も田植えや稲刈りなどの神事を行っているのです。日本の神様は人間にとても近くて、キリスト教的な考え方とはまるで違います。
極秘中の極秘神事・大嘗祭
神事の中でもっとも大切なのが大嘗祭(おほにへのまつり・だいじょうさい)。天皇が即位して最初に行う大祭です。この儀式は極秘中の極秘。資料館にはなんと儀式の行われる大嘗官の模型があるんですよ。悠紀殿(ゆきでん)と主基殿(すきでん)です。ガラスケースを開けて模型を解体して見せて頂きました。
『江家次第』による大嘗祭の神事
平安時代の『江家次第(ごうけしだい)』という書物によると、大嘗祭では瓊瓊杵尊(ににぎのみこと)が降臨し、天皇が宮内に建てられた悠紀殿・主基殿という東西の斎場で新米を食べ、天の羽衣を着て一晩こもり神と交わるのです。これ以上具体的には書けませんが(お察しください)大嘗祭は天皇が神になる儀式なのです。
秘密の神事にドキドキ
天皇の一世一代の神事をこっそり覗き見ているようでドキドキ。若者で賑わう渋谷にこんなディープなスポットがあるとは。非常に詳しく、実のある講義をしてくださり本当にありがとうございました。(2006年03月10日訪問)【麻理】
参考文献
地図&情報
國學院大學(こくがくいんだいがく)・神道資料館
國學院大學・神道資料館はリニューアルされました。この記事の写真は以前の神道資料館の様子です。住所 :東京都渋谷区東4-10-28
電話 :03-5466-0210
時間 :10:00~18:00
休館日:不定休
入館料:無料
関連URL:國學院大學博物館