テプコ浅草館は懐かしい明治〜昭和初期の東京浅草の下町を再現した施設。玄関に飾ってあるカッパの人形は前に立つとギッコ、ギッコと体を揺らして踊ります。震災後に閉鎖されました。
夕暮れ時の浅草を演出
テプコとはTokyo Electric Power Company(TEPCO)。すなわち東京電力。テプコ関係のPR施設は、渋谷、銀座など関東のあちこちに17館あります(※2005年現在)。テプコ浅草館はそのうちの一つ。明治から昭和初期の浅草が再現されているのは2階部分。館内は薄暗く夕暮れ時のような雰囲気です。
浅草第六区巡査派出所の警察官
おっとびっくり。丸尾末広の描いたような端正な顔の青年警察官がこっちを見てます。赤いランプがほんのり灯っていてノスタルジック。ここは浅草第六区巡査派出所。当時、屋根にはどこからも見える大時計が設置されていて、近隣の劇場はその時計の時報で開演していたそうです。
貴重な資料室・浅草文庫
昔懐かしいポスターや看板がたくさん壁に飾られています。浅草文庫というコーナーでは浅草に関する貴重な書籍を手に取ることができます。蔵書数はなんと約4000冊。そのどれもがビブリオマニア垂涎の稀覯本ばかりです。貸し出しはしていませんが、浅草について論文を書いている学生さんには大いに役立つはずです。
ああ懐かしの浅草十二階
凌雲閣。明治23年に建設され人々に浅草十二階と呼ばれ親しまれた塔です。凌雲閣とは「雲を凌ぐほど高い」という意味です。日本で初めて電動エレベータが設置されたことでも有名ですね。
江戸川乱歩がお好きな人なら、凌雲閣と聞いただけでワクワクするはず。『押絵と旅する男』で押絵に取り憑かれた男が何度もここに登っていましたね。
今はなき凌雲閣
残念なことに、1923年(大正12年)の関東大震災で半壊してしまった凌雲閣。映画『帝都物語』では凌雲閣の倒壊の様子が迫力ある映像で再現されていました。無惨に崩れ落ちた凌雲閣の写真が展示されていて切ない気持ちになりました。
学校の文化祭を思い出す
最初からずっと懐かしい感じがしていたんですが、なぜだか分かりました。この雰囲気、学校の文化祭っぽいんです。意気込みは感じられるのですが、予算がそれに追いついていない感じ。「ベニヤと手作りポスターで頑張って作りました」的な一生懸命さが、学生時代の文化祭を思い出します。でもその低予算な素朴さが、実にいい味出していると思うのです。(2005年12月22日訪問)【麻理】
参考文献
地図&情報
(閉鎖)テプコ浅草館(てぷこあさくさかん)
現在閉鎖している施設です。ご注意ください。大変残念です。楽しい想い出をありがとうございました。(2011年5月31日閉館)住所 :
東京都台東区西浅草2-27-7
電話 :03-4463-8422
入館料:無料
時間 :10:00~18:00
休館日:月曜日 年末年始