山梨には子宝祈願の神社や陰陽木・陰陽石がたくさんあります。甲斐市で毎年1月28日に行われる金山神社祭典は米の粉を練って作った男女の性器の餅をお供えし、祈願する奇祭です。
係の方が何度も念を押すわけ
志村功さんの「富士山写真甲州斎写楽写真館」に載っている写真を見て興味をひかれた私は金山神社を目指しました。
事前に甲斐市教育委員会に問い合わせをすると「本当にそんな遠くからいらっしゃるんですか? わざわざ? 神社って言うか……あの、すごく小さいですよ?」と、くどいくらいに念を押すのです。
神社というよりプレハブ小屋?
たどりついてみて唖然。「神社って言うか……」の言葉通り、神社というよりプレハブ小屋と言った趣のお社です。これは一見して神社だと分かりません。
掃除道具の間にご神体
アルミの戸を開けて中に入ってみると、そこは掃除道具と御神体が雑多に置かれた物置でした。ほうきや脚立、バケツなどの間にご神体らしき木が祀られています。ご神体をこんな扱いで大丈夫かなあ……。
男性器・女性器型の木や石
天井近くに男性器の形をした木が飾ってあります。自然木に手を加えてそれらしくしているもののようです。床には木で作られたものや石を削った、男性器・女性器。奉られているというより単に置かれているといった感じ。
せっかくの御神体もありがたみが薄い
かなり大きな御神体もあります。自然の造形でしょうか。こちらはよく見るとそう見えないこともないかなぐらいの形。ほうきや脚立と一緒に並んでいるので、ありがたみがほとんど感じられません。ちょっとかわいそうな気もします。
金山神社祭典に関する資料
金山神社祭典に関する資料も壁に飾られています。あれ? この縁起凧、神奈川県の金山神社・かなまら祭りのものみたい。あちらも金山神社だから関係あるのかな。それとお祭りの写真。おぼんにお餅をのせて運んでいる様子が写っています。
小さな石造りのお社
建物の背後に回ってみると、小さな石造りのお社がありました。素朴な味わいのある作りです。おさい銭がいくつかのせられているので、お参りする人もいるんでしょうね。
山梨の道祖神も
金山と銘の入った瓦があるので、もとはちゃんとした神社だったのかな。焼失したりしてプレハブ小屋になってしまったのかしら。男性器型の石も奉納されています。
丸石神も発見!
そして球形をした石がたくさん。この球形をした石は丸石神と言います。丸石神は山梨県の民間信仰で奉られている、謎の多い道祖神です。丸石神を調査したレポートもぜひ読んでみてくださいね。(2007年04月14日訪問)【麻理】
参考文献
地図&情報
金山神社(かなやまじんじゃ)
住所 :山梨県甲斐市宇都谷5118
電話 0551-20-3703(甲斐市教育委員会)
休業日:年中無休
時間 :参拝自由
拝観料:無料
駐車場:なし
参考URL:富士山写真甲州斎写楽写真館