突然ですが問題です。日本一長い名前の駅は何県にある? 答えは熊本県。南阿蘇水の生まれる里白水高原駅(みなみあそみずのうまれるさとはくすいこうげんえき)は南阿蘇鉄道高森線の駅。
読み仮名22文字の、日本一長い名前の駅
いきなり出落ちで恐縮です。南阿蘇水の生まれる里白水高原駅(みなみあそみずのうまれるさとはくすいこうげんえき)を見に、熊本県阿蘇郡南阿蘇村大字中松までやってきました。日本一長い表記14文字、読み仮名22文字の駅です。あまりに長いので切符には「白水高原駅」と省略されています。
ちなみに文字として一番長い駅名は「トヨタモビリティ富山Gスクエア五福前」。2021年1月1日に駅名が「富山トヨペット本社前」から会社の合併にともなって改称されたことで1位となった。(京都新聞・日本一長い駅名、9ヵ月で陥落 記念硬券も発売中止でも「誇らしい」)
ログハウスのような駅舎
南阿蘇鉄道高森線、南阿蘇水の生まれる里白水高原駅の開業は1992年。十二角形の木造駅舎は牧歌的な雰囲気です。まるでログハウスのよう。雄大な阿蘇山と実にマッチしていますね。ここは開業からずっと無人駅です。
のんびりした雰囲気の木の待合室
待合室に入ってみました。中には誰もいませんでした。壁も木でできていてのんびりした田舎の駅といった風情。旅情が掻き立てられるなあ。こういう駅の待合室は大好きです。壁には観光マップが貼ってありました。
一時間に一本の単線の駅
南阿蘇水の生まれる里白水高原駅のホームは一つだけの単線。時刻表を見ると上り下りともに1時間に1本のようです。南阿蘇村は2005年02月に長陽村・白水村・久木野村の3村が合併してできましたが、住民の足はクルマが主で、鉄道を利用する人は少ないのかもしれません。
本棚のあるなつかしい待合室
私がこの待合室に好印象を抱いたのは、こんな本棚が設置してあったからです。住民の方々が持ち寄ったものでしょうか。スマホのない時代は電車が来るまでみんな本を読んで待っていたんですよね。私はこんな本棚のある空間が大好きなのです。
昔はよく見かけた駅の本棚
こっちにも別のレトロな本棚。昔は東京でもこんな本棚が設置されている駅がありましたが、もうすっかり見かけなくなりましたね。今もあるのかしら。そのまま持っていって電車の中で読んでもいいし、返すのも自由。読み終わった本を置いておいて後日なくなっていると「誰かが読んでいるのかなあ」なんて温かい気持ちになりました。
本を眺めるとノスタルジックな気持ちに
昔読んだことがある本もちらほら。アシモフにウェルズ。ハヤカワのSFは電車通学していた中高生が読んだものなのでしょうか。本との偶然の出会いがある駅の本棚を見て、ノスタルジックな気持ちになりました。こういう見知らぬ人との知のつながりって素敵ですね。
熊本地震以降運転を見合わせている
実は南阿蘇鉄道は、2016年04月14日に発生した熊本地震以来運転が見合わされています。橋梁やトンネルが破損してしまって危険であるとのこと。だから誰もいなかったんですね。
時が止まったような美しい駅
廃墟に惹かれる人が多いように、電車も来ず誰もいない駅に魅了される方は多いでしょう。南阿蘇鉄道が早く再開されることを望んでいますが、時が止まったような南阿蘇水の生まれる里白水高原駅はなんと美しい駅でしょうか。(2017年05月06日訪問)【麻理】
参考文献
地図&情報
南阿蘇水の生まれる里白水高原駅(みなみあそみずのうまれるさとはくすいこうげんえき)
住所 :熊本県阿蘇郡南阿蘇村大字中松
駐車場:無料
関連URL:南阿蘇水の生まれる里白水高原駅 – Wikipedia