熊本県宇城市、宇土半島の先端に不思議な建造物があります。まるで巨大な巻き貝! これは海のピラミッドと呼ばれる港町・三角のシンボルです。天草へ向かう途中で立ち寄ってみました。
巻き貝のような不思議な形の塔
宇城市(うきし)三角町(みすみまち)。この巻き貝のような塔はぐるぐるとスロープの回廊が上へ昇る不思議な形をしていますね。歩いている人と比べると大きさがお分かりになるでしょうか。海のピラミッドはもともとは三角港フェリーターミナルの待合室・展望台として作られました。
コンクリート打ちっぱなしの無骨な内部
中身はこんな感じ。コンクリート打ちっぱなしの無骨な内装。秘密基地っぽくてワクワクします。中もぐるぐると斜めのスロープが壁に張り付いていますよ。このスロープも頂上まで続いています。昔訪れた、福島県の栄螺堂を思い出しました。
見上げてみるとSF映画のよう
見上げてみると、ほら! SF映画のようでカッコイイでしょう。10年前の2007年〜2011年ごろにはライトアップされて人前結婚式やクラブイベント、アートイベントも行われていました。ただ宇城市とのトラブルなどもあったようで、いろいろ難しい問題があるみたい。ここからの眺めは千葉県の印旛日本医大駅っぽいかも。
【動画】海のピラミッドを上ってみる
らせん型スロープを登りながら撮影してみました。それほど急なスロープではないのでご年配の方でも大丈夫ですが、高所恐怖症の私は上に行くにつれ外側の手すりに近寄れず、建物にこするようにして上がっていきました。だってだんだん道幅が狭くなってきて怖いんだもん。
都市計画・くまもとアートポリスの一つとして建設
海のピラミッドは1988年から熊本で行われているくまもとアートポリスという都市計画の一つとして1990年に建設されました。これは当時県知事であった細川護煕氏が、後世に残る文化を熊本で実現することを目標に打ち上げたアートプロジェクトです。
元はフェリー待合室として作られたが……
しかしさきほど三角港フェリーターミナルとして建てられたと書きましたが、三角と長崎県島原市を結んでいた島原フェリーは、熊本港が完成したことにより2006年に運行を廃止。海のピラミッドはフェリー待合室としての役目を終えて今は展望台としてのみ使われています。せっかく巨額の費用をかけて作ったのにもったいないなあ……。
高さ25mのピラミッド頂上へ
頂上にやってきました。ほんの数分ですがよい運動になりました。海のピラミッドの直径は34m、高さは25mだそうです。さあ地上25mからの眺めは?
近くの道の駅で飲食もできます
清々しい海の景色が広がっています。空が広い! 開放感のある長めに気分もスッキリ。海のピラミッド近くの道の駅・ラ・ガールでは地元の特産品が売られているので、飲食スペースでご飯を食べたりのんびりできます。ドライブの休息にぜひ立ち寄ってみてください。
展望台としてだけだとちょっともったいないかなあ
海のピラミッドは2012年11月12日の行政代執行以降、待合室以外特に何かの目的で使われることもなく臨海にひっそり佇むばかりです。地元メディアでは税金の無駄遣い、バブルの遺産とも揶揄されることも。地元の方が潤う方向で何か良い解決策があるといいのになあ……。(2017年05月05日訪問)【麻理】
参考文献
地図&情報
海のピラミッド(元・三角港フェリーターミナル)
住所 :熊本県宇城市三角町三角浦1160-177
電話 :0964-53-1111(宇城市三角支所総合窓口課)
時間 :09:00~18:00
入場料:無料
駐車場:無料
関連URL:三角港フェリーターミナル(海のピラミッド) / 熊本県