長崎のちゃんぽんは明治32年に長崎で生まれた中華料理。生みの親と言われるのが中華料理店、四海樓の初代・陳平順氏です。四海樓にあるちゃんぽんミュージアムに行ってみました。
ちゃんぽん、皿うどんの発祥の地・四海樓
四海樓と言えば明治時代から続く老舗の中華料理店です。せっかく長崎に来たのだからと、本場のちゃんぽんを食べてみたくて足を運びました。四海楼はちゃんぽんや皿うどんの発祥の地。美味しい!
陳平順氏が生みの親
明治25年、(1892)19歳の青年・陳平順氏が中国から長崎に渡りました。働きながら資金を貯めて7年後に四海樓をオープンします。彼は当時長崎に来ていた中国人留学生のために、栄養もボリュームもある麺料理を考案しました。これがちゃんぽんの始まり。
陳平順氏が生みの親
ちゃんぽんの特許を取るように進められた時、陳氏は「日本人が喜んで食べてくれたらそれで良い」と取得しなかったそうです。現在これだけちゃんぽんのお店が増えたのも彼の寛大な取り計らいのおかげかもしれませんね。
ちゃんぽんに関する歴史を紹介
ちゃんぽんミュージアムは豪華な四海樓ビルの中にあります。創立100周年を記念して2000年に改装オープンしました。ちゃんぽんの歴史やちゃんぽんにまつわる品々を展示してありますよ。
皇室の方々もおでましになるお店
四海楼がオープンすると芥川龍之介、菊池寛、斎藤茂吉など数々の文化人が訪れる人気店になりました。ミュージアムの壁には常陸宮殿下、皇太子殿下といった皇室の方々の写真もずらっと並んでいます。いつもながら素晴らしいフットワークです。
たくさんの著名人のサインも
五木寛之氏、永六輔氏、瀬戸内寂聴氏、新珠三千代氏、小泉元首相──たくさんの著名な方々が四海樓のちゃんぽんを堪能しています。寂聴先生は色紙に一句。こんな洒落たサインをいつか書いてみたい。
あの日本一有名な一家も来店
なんとなんと、日本一有名な一家・磯野家のみなさんも来ているんです。「サザエさん」で一家が長崎を訪れて四海樓でちゃんぽんを食べた回の絵コンテなんて珍品がありましたよ。サザエさん、結構あちこち旅行してるもんなあ。
なんでちゃんぽんって言うの?
ところでなんでちゃんぽんって言うんでしょう? ちゃんぽんの語源は諸説あるそうです。福建語でご飯を食べるという意味の「吃飯(福建語ではシャポン、セッポンと発音)」が元になった。または、中国の鉦のチャンと日本の鼓のポンを合わせた造語である……などなど。ほほう初めて知った。こんなちゃんぽんトリビアいっぱいの博物館でした。
四海樓の横にある面白いもの
余談ですが、四海樓ビルの手前の壁にちょっと面白いものがあるんですよ。目印は壁の上部に据えられた見事な龍の彫刻。この壁の地面に注目。
魔よけとしての魔方陣
これ何だか分かりますか? 中国の魔方陣です。魔方陣とは縦、横、斜めの全ての数字を足すと、どの列の合計も同じ数字になるというもの。西洋数秘術にもありますが、この中国のものは魔よけとして使われています。漢字で書かれていて一風変わっています。
どの列を足しても111になる
どの列を足しても111になっていますね。ちなみにこの説明書きには「魔法陣」とありますが、これだと「悪魔とかを召還するときの魔法の図形」の意味になってしまうので「魔方陣」と書くのが正しいみたいですよ。細かくてすみません。(2007年11月11日訪問)【麻理】
参考文献
地図&情報
ちゃんぽんミュージアム
住所 :長崎県長崎市松が枝町4-5 四海樓内
電話 :095-822-1296
時間 :11:30~20:00
休館日:不定休
入館料:無料
駐車場:なし
関連URL:中国料理【四海樓】元祖 老舗 ちゃんぽん 皿うどん 長崎